今回は魚料理にぴったりなハーブ、フェンネルを紹介します。
目次
主な成分と作用
メチルチャビコール
炎症を抑え、痛みを和らげる作用のほか、痙攣を鎮めたり、抗ウイルス作用もあります。
アネトール
咳を抑え、痰を切る作用があり、喉からくる風邪を和らげるのに効果的です。
β-フェナンドレン
種子に含まれていて、アニスのような香りが特徴です。噛むと口臭の除去をしてくれます。
特徴
全ての部位が利用できる1~2mまで成長する大型のハーブで、羽状に裂ける細い葉が互いに生えるのが特徴です。
初夏~夏に花茎を伸ばして花を咲かせ、秋には茶褐色の実がつきます。
各種利用法
料理
魚料理によく合い、ヨーロッパでは「魚のハーブ」と呼ばれています。また、このハーブをオリーブオイルに漬ければハーブオイル、お酢に漬ければハーブビネガーとなります。
健康
大人の消化不良や胸焼けに使われ、消化を助ける効果があります。また、このハーブティーは乳幼児の疝痛、母親の母乳の出を良くすることで知られています。
栽培の
- 移植を嫌うので種を直まきしましょう。特に日当たりのよい砂地がおすすめです。
- 種を作る場合は、花を咲かせて晩夏に紙袋で覆い、切って追熟させましょう。
歴史
紀元前4000年前まで遡り、古代エジプト時代の当初は、利尿薬や鎮痛剤として使われ、当時の医学書「エーデルス・パピルス」に記録が残っています。
古代ギリシャ時代では成功のシンボルとされ、ギリシャがペルシアを破った「マラトンの戦い」で、その戦場にこのハーブが生えていたことから、マラトンと呼ばれていました。
その他の品種
フローレンスフェンネル
イタリアではフィノッキオと呼ばれ、
スープやサラダなど、応用範囲が広いです。。
ブロンズフェンネル
葉がきれいなブロンズ色でビネガーに漬けると色が移り、きれいな色のハーブビネガーになります。
学名:Foenicum vulgare MIll
読み方:フォエニカム・ウルガレ
Foenicum
干し草+小さいが合わさった単語です。
Vulgare
普通のという意味になります。
あとがき
今回はフェンネルについて解説しました。余談ですがヨーロッパのことわざで、「富むものは魚とフェンネルを食べる。貧しいものはフェンネルだけを食べる。」というものがあり、かつては日常生活でとても身近なものだったと感じさせますね。
皆さんもフェンネルを見かけたら、是非魚と合わせてみてください。普段の魚料理がよりおいしくなるので、個人的にとてもおすすめです。
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- ハーブティー辞典 佐々木薫 池田書店
- ハーバリストのための薬用科学 アンドリュー・ペンゲリー フレグランス・ジャーナル社
- ハーブの歴史百科 キャロライン・ホームズ 原書房
- ハーブの歴史 ゲイリー・アレン 原書房
- ハーブと精油の基本事典 林真一郎 池田書店
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著:白鴉マキト