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ハーブ解説 Part11 セージ

今回解説するのは、古くから薬用、料理に使われてきたセージです。

特徴

料理から薬用、クラフトなど様々な形で利用できるハーブで、薬用サルビアと呼ばれるほか、園芸品種も多く存在します。

高さは約60~80センチほどまで成長する、低木の一種です。葉の形は楕円形で網目状のシワが入り、初夏~夏に薄紫色の花をつけます。

主な成分:カンファー

セージ特有の、薬品のような香りは主にこの成分で、モノテルペンケトン類と呼ばれるグループに属します。作用としては、中枢神経に作用し、発赤や粘液溶解作用のある局所剤として使われます。

有り体に言えば、炎症を起こしてる部分や、鼻詰まりなどの部分に働きかける作用があるということです。ただし、大量に服用すると有毒なため、使用には注意しましょう。

学名:Salvia offichinalis L

読み方:サルウィア・オフィキナリス

Salvia

ラテン語の”Salvo”「私は健康である」、”Sadver”「治療する」などに由来しています。

offichinalis

「薬用の」という意味です。

各種利用法

料理

  • 生の葉に含まれる苦味や渋味は、加熱すると甘みに変わります。イタリアではジビエ料理に使われ、中東ではケバブなど、主に肉料理に使われることが多いです。
  • 殺菌作用も強く、臭みを消すために使われ、内蔵料理にも利用可能です。

栽培

セージは日光を必要とする「好光性」の種なので、種から育てるときは薄く土をかけてあげましょう。

ポットで育てる場合は、根っこが鉢に回って根詰まりを起こしてしまうため、年に1回一回り大きな鉢に植え替えましょう。

実用

ドライセージ+粗塩

天然の歯磨き粉になります。

浸出液
  • 煮出したものを冷ませばうがい薬にもでき、喉の痛みや口内炎、歯肉炎などに利用できます。
  • 濃く煮出したものを、ローションやヘアトニック、湿布など、外用としても利用可能です。

一般的にハーブティーと呼ばれるものは『浸剤』といい、冷たいものは「冷浸剤」、温かいものを「温浸剤」といいます。浸剤を更に濃くしたものを『煎剤』と呼びます。

剤形についての記事もあるので、参考にして頂ければ幸いです。

https://www.herbainformationstore.com/2020/01/15/%e5%89%a4%e5%9e%8b/

https://www.herbainformationstore.com/2020/01/16/%e5%89%a4%e5%9e%8b%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6%e3%80%80%e3%81%9d%e3%81%ae%ef%bc%92/

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歴史

古代ギリシア ローマの時代では万能薬と考えられていて、医者であり植物学者『ディオスコリデス』は「切り傷、尿路結石、女性の生理不順に有効だ」と記しています。また、古代ローマ時代の博物学者『大プリニウス』は、蛇の噛み傷に効くと記しています。

欧州での栽培の歴史は古く、現存する最古の庭園、スイスの【ザンクトガレン修道院】の設計図には、薬草園があり、その中にセージの名前があります。

イギリスのことわざ

イギリスのことわざで、“長生きしたければ5月にセージを食べるように”ということわざもあります。

日本に渡来したのは明治20年頃で、大正時代に横浜や愛知県で栽培された記録が残っています。

あとがき

今回はセージについて解説しました。

このハーブは、1株植えていると何かと便利なので、ポットで育ててみてはいかがでしょうか?

参考文献

  • ハーブのすべてが分かる辞典 ナツメ社 ジャパンハーブソサエティー
  • ハーブの歴史百科 原書房 キャロライン・ホームズ
  • ハーブの歴史 原書房 ゲイリー・アレン
  • ハーバリストのための薬用科学 フレグランス・ジャーナル社 アンドリュー・ペンゲリー
  • ハーブティー辞典 池田書店 佐々木薫

著:白鴉マキト

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Kemu
毎日ハーブのあれこれについて更新しています。

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