今回は、現在のいちごが流通する前の原種にあたるハーブ、ワイルドストロベリーについて解説します。
目次
主な成分:カリウム
この成分はおそらく耳にしたことがあると思いますが、主な作用は水分の調整。つまり体内にある余分な水分を排出してくれるため、水太りによる肥満の解消に効果が期待できます。
特徴
現在流通しているイチゴの祖先にあたり、今のイチゴが登場するまで食べられていました。
ラップランド地方ではイチゴとトナカイの乳を混ぜて作るプディングを作るレシピが残っています。
各種利用法
料理
生で食べられるのはもちろん、ジャムやアイスクリーム、パイ、タルトといったお菓子作りにも活用できます。また、リキュールやワインの香り付けにも利用できます。
ハーブティとしても利用でき、実から爽やかなハーブティーが出来る。というイメージですが、味は番茶に近いため、普段に飲むのにもいいかも知れませんね。
健康
実には抗炎症作用があり、火傷に潰した実を乗せることで傷を治す民間療法があるほか、かつては「幸せを呼ぶティー」として人気を博しました。
生の葉には若干の毒性があるので、生の状態で使用は控えましょう。乾燥させる過程で毒素は排出され、完全に乾燥させれば毒素は消えます。
栽培
- 比較的簡単に育てられるハーブで、ポットで栽培するのがおすすめです。
- 排水性の良い肥沃な土と日当たりの良い場所を好みます。
歴史
中世の時代、14世紀頃にフランスで栽培され始め、当時は実ではなく花を鑑賞するために育てていました。16世紀に入るとワイルドストロベリー以外の品種も栽培されるようになりました。いずれも酸味が少なく、小粒でした。
1710年頃にチリイチゴという品種が導入され、この品種が現在のイチゴの原点になります。
キリスト教では正義の象徴で、聖母マリアに捧げられた草の一つです。
ドイツの神話
ドイツのバイエルン地方では、森の妖精が牛の乳の出を良くするという神話が残っており、雌牛の角の間にワイルドストロベリーの入ったカゴを結べば、妖精が喜んで乳を沢山出させてくれる。という逸話です。
学名:Flagaria Vesca
Flagaria
ラテン語のfragre”芳香のある”にちなみます。
Vesca
食べられるという意味です。
あとがき
今回はワイルドストロベリーについて解説しました。
歴史について軽く話しましたが、どのハーブも人間の歴史に深く関わっていて、ハーブの歴史を知れば、いかに人間がハーブから様々なものを見出したのかを知ることができます。
古代エジプトでは、ミイラを保存するために様々な精油を用いていましたし、中世では美しいハーブ園の雛形ができ、現在でも食品の香り付けや化粧品など、ハーブと人間は切っても切れない関係なのが伺えますね。
皆さんもハーブに限らず、歴史を調べてみてはいかがでしょうか?昔を知れば今を知る事ができ、物事を本当の意味で理解する事ができる手助けになると思います。
今日まで書き続けることができたのは読んでくださっている人のおかげです。本当にありがとうございます。これからも拙い記事ではありますが続けていこうと思うので、どうか応援して下さると大変嬉しく思います。
今回の記事はここまでとなります。また次回の記事でお会いしましょう。
著:白鴉マキト