ハーブ一覧

ハーブ解説 Part16 ローゼル

今回紹介するハーブは、南国の植物として知られるローゼル、通称ハイビスカスについてです。

主な成分と作用

植物酸

ローゼルの酸味の主成分は、主にクエン酸やハイビスカス酸という水に溶ける成分などで、主に疲労回復やエネルギー代謝を高める作用があり、疲れたときにこのティーを飲めば、疲れを緩和する効果が期待できます。

このハーブが有名になったのは、東京オリンピックで、マラソン選手のアベベ選手がこのティーを飲んで金メダルを獲ったことから、一躍有名になりました。

特徴

熱帯地方が原産の植物で、短日植物。つまり開花してからしぼむまでの、日中から夕方までの間にしか収穫できないハーブです。

各種利用法

料理

  • 酸味のある萼は冷たいデザート、ゼリーやシャーベットなどに向くほか、ジャムやパイなど、お菓子作りにおすすめです。
  • 葉はサラダにでき、ビネガーに浸けると色鮮やかになります。

栽培

繁殖は種からがオススメです。ただし、沖縄以外の総苞片の収穫は難易度が高いので注意しましょう。

歴史

古代エジプト

エジプトのナイル川湖畔では、葉と種子が食用に、茎は繊維に使われていました。

奴隷貿易時代

16世紀頃、ヨーロッパでは酸味のある萼が注目されるようになり、日本の南米移民者は、梅干しの代わりにこの萼を噛んでいたと伝えられています。

現代

現代では、多目的植物「マルチハーブ」と呼ばれ、茎は繊維に、種子は工業油、絞りカスは家畜の飼料となり、余すことなく使えます。

しかし、20世紀頃に入ってきた当時は、寒さに弱く、開花しても萼や種子が難しく、あまり普及しませんでした。

学名:Hibiscus Sabdariffa L

Hibiscus

ゼニアオイの仲間に付けられた古代ギリシャ及びラテン語の古い呼び名です。

Sabdariffa

こちらの語源はまだ分かっていないらしく、一説では古代エジプトの美の女神に由来するとされています。

あとがき

今回はローゼルについて解説しました。

私が最初この名前を見たときに、なんだこれ?聞いたことがないぞ?と疑問に思い、書籍を漁り、ローゼル=ハイビスカスということを知り、一般的な名前と本に載っている知識が必ずしも一致しないということを知ったハーブでした。

余談ですが総苞片を利用したティーは、アフリカや中東では「ビザップ」とよばれ、好まれています。ティーとして利用するのは食用品種を乾燥させたものですので、観賞用の品種と間違えないようにしましょう。

さらに補足させていただくと、色の濃い中国産や、酸味の強いスーダン産など、産地によっても味が違うので、見かけたら是非飲んでみてはいかがでしょうか?

今日まで書き続けることができたのは読んでくださっている人のおかげです。本当にありがとうございます。これからも拙い記事ではありますが続けていこうと思うので、どうか応援して下さると大変嬉しく思います。

今回の記事はここまでとなります。また次回の記事でお会いしましょう。

著:白鴉マキト

ABOUT ME
Kemu
毎日ハーブのあれこれについて更新しています。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です