今回は、アロエについて解説していきたいと思います。
目次
特徴
別名「キダチロカイ」といい、1メートルまで大きくなります。南国原産なので寒さに弱いですが、伊豆半島などの暖地では露地でも越冬できます。
先端が尖った剣状で、果肉の詰まったゼリー質を内包しており、美容や薬用に重宝されています。
Aloe
アラビア語で苦味のあるという意味です。
Arborescens
小さな樹木という意味です。
歴史
古代エジプト時代
女王クレオパトラも、アロエのゼリー質を肌に塗り、日焼け防止に利用していました。
古代ローマ時代
ローマの軍医ディオスコリデスは、「薬物誌」にアロエを使ったという記述が残っています。
紀元前300年頃、アレキサンダー大王は、当時の家庭教師であったアリストテレスの勧めで、アロエを持参し、戦士たちの傷を癒やし、戦果を上げたとされています。
日本
日本には江戸時代に中国から持ち込まれ、貝原益軒の記した「大和本草」に記録が残っているほか、明治19年に制定された日本薬局方には、瀉下剤としての効果が認められています。
主な成分と作用
アントラキノン類
配糖体と呼ばれる成分の一種で、腸内で分解されて別の物質になる過程で緩下作用、つまりお腹の調子を整える作用が働きます。植物に含まれているこの成分の量によって緩下作用の強さは変わります。
過敏性や痙攣性の便秘にアロエを使うのは禁忌です。その理由は、アロエの緩下作用が強く、少し多めにとっただけでも腹痛を引き起こす事があり、さらに依存症の引き金になりうるからです。
利用法
料理
アロエの果肉をヨーグルトと一緒に食べるほか、スムージーの材料にもなります。少し変わった食べ方としては、アロエの果肉を刺し身のように食べることもできます。
美容・健康
スキンケアに役立ち、ニキビや吹き出物、保湿や美白にも優れているほか、シャンプーなどにヘアケアとして傷んだ髪の修復にも有効です。
栽培
寒さに弱いので、日当たりと水はけの良い霜の降りない場所に植えましょう。寒冷地の場合、冬は室内に入れましょう。
寒冷地の場合は、室内で管理しましょう。
その他の品種
アロエベラ Aloe Vera
特徴
- キダチアロエと比べて苦味が少なく、高さも60cm程と小型です。
- 夏に黄色~オレンジ色で管状の花穂をつけます。
- 学名のVeraは真の、本物のという意味です。
歴史
アリストテレスはこの品種を珍重し、当時唯一の原産国、アラビア半島周辺の征服をアレキサンダー大王に願い出たという説話があります。
イエス・キリストの遺体は、没薬とアロエに浸したリネンで包まれ葬られたという逸話があります。
まとめ
食べて良し、健康によしのハーブで、特にお腹の調子を整える時に有効です。
あとがき
今回はアロエについて解説しました。
歴史を振り返ると、ハーブ欲しさに原産地を征服するって中々に思い切った行動だと思いましたが、結構頻繁にあるようで、大航海時代にも同じようなことがあり、歴史は繰り返すものと感じました。
著:白鴉マキト