今回は、今までマイナー過ぎて日の目を見ないハーブ達を紹介していましたが、メジャーであろうハーブ、タイムについて解説します。
学名:Thymus Vulgaris
読み方:チムス ウルガリス
ギリシャ語でthymos「香らせる」という単語が語源となりVulgaris「普通の、通常の」という語彙で、合せると香らせる普通の香草という意味になります。
目次
特徴
タイムは草の一種に見えますが、実は低木の一種で、古くなったタイムは枝の部分が木質化するのが特徴です。一般的にタイムと呼ばれるのはコモンタイムという品種で、それ以外にも地を這うように育つ品種や班入りの品種など、バラエティに富んでいます。
高さは30cmほどまで成長し、初夏~夏にかけて淡い赤、白、藤色など色とりどりの花を咲かせます。また、ハチを呼び寄せる蜜源植物です。
主な成分
チモール・カルバクロール
この成分はフェノール系化合物の一種で、特に去痰、駆虫、抗菌作用や殺菌作用に優れているほか、咳を抑える効果もあり、咳き込むような風邪にこのハーブティを飲めば、症状を緩和することができます。
フェノール類の記事も以下のリンクに貼っておきますので、参考にしてくださると嬉しいです。
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各種利用法
料理
地中海では万能ハーブの代表格で、肉、魚、野菜料理からジビエ料理に使えるほか、長時間煮込んでも香りが飛ばないという利点からブーケガルニに利用されます。
ソーセージやピクルス、サラミ、パテ、ビネガー、オイルの香り付けにも優秀な働きをし、様々なソースや保存料にも活躍します。
私自身が作ってみたレシピも以下に貼っておきますので参考にしてくれると嬉しいです。
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伝統的なレシピ
キャラウェイに似た香りのキャラウェイタイムは、伝統的にジビエ料理に使われます。
レモンタイムはシンプルな鶏肉料理や魚料理に活躍し、素材の味をぐっと引き出せるほか、ドライ、ハーブティーとしても優秀です。また、ゴールデンタイムも同様な使い方ができ、マグロなどの赤身魚やサラダのアクセントにも活用できます。
オレンジバルサムタイムという品種に似たプロヴァンスという品種はフランス原産のタイムで、鶏肉を焼く時に茎を皮の下に挟んで焼いて香り付けしたり、クリスマスのミンスパイの生地に混ぜ込んでも良いです。
薬用
呼吸器系や泌尿器系の感染症に有効なほか、喉の痛みや咽頭炎、口腔カンジタ、口内炎といったお口周りのトラブルにはハーブティーとして飲んだり、濃い目に煮出してマウスウォッシュにしたりすることも可能です。
上記の通り、咳や百日咳、喘息、気管支炎といったカタル系の症状にも有効で、コルツフットというハーブを合わせると、更に効果が上昇します。
消化器系にも効果があり、寄生虫退治や消化不良、白癬といった感染症にも利用でき、心身の強壮効果も備えたハーブでもあります。
栽培
高温多湿に弱いので、通気性の良いジャリがオススメです。日本では梅雨に入る前に根本まで一気に刈り取る「切り戻し」という作業をしておくと、株の通気性を良くして蒸れるのを防いでくれます。春先か秋の初めに、種まきや挿し木で増やすことができます。
歴史
タイムの歴史は非常に古く、初めて使用されたとされるのは紀元前3500年前のシュメール人。つまりメソポタミアまでさかのぼります。メソポタミアの粘土板に書かれた医学書にも記載され、当時は薫香に用いられていました。
古代エジプト時代では防腐効果の高さから、ミイラづくりに利用されたほか、空気の浄化や疫病蔓延防止に使われました。
古代ローマ時代の医者ディオスコリデスの書いた著書「薬物誌」のラテン語写本(15世紀に描かれたもの)には、当時のタイム売の絵が描かれています。
17世紀のイギリスハーブガーデンでは、ミツバチの巣箱に植えられていました。
日本には明治初期に渡来しましたが、当時は観賞用として植えられていました。
品種群
たくさんある品種たちの一部分をご紹介。
レモンタイム
レモンのような香りが特徴で、フレッシュで使うことが多いです。淡白な料理に使うのがオススメです。
ゴールデンタイム
葉に黄色と緑の斑紋が出るタイムで、立性。つまり立って育つタイムです。庭に植えるときのアクセントにすると映えます。
クリーピングタイム
ヨーロッパに広く生息するハーブで、名前のクリーピングは「這う」という意味で、地面を這うように成長します。花色はピンク色や白で、縁取りがあるなどバラエティに富みます。
あとがき
今回はタイムについて解説しました。
薬品のような香りがするため好き嫌いが分かれてしまいますが、わたしはこの香りが好きです。料理以外にも様々な用途があるということを知ることが出来た思い出のハーブでもあります。
ハーブは香辛料だけでなく、健康にも役立つことを少しでも知って日常生活に役立ててくれると嬉しいです。そして一人でも多くの人がハーブの魅力に気づいてもらえることを願っています。
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今日まで書き続けることができたのは読んでくださっている人のおかげです。本当にありがとうございます。拙い記事ではありますがこれからも書き続けていこうと思うので、どうか応援して下さると大変嬉しく思います。
今回の記事はここまでとなります。また次回の記事でお会いしましょう。