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ハーブ解説 Part67

今回は、古くから魔除けや神聖な場所を清めるために使われたヒソップについての解説です。

主な作用

ピネンなどのテルペンアルコール類を含むため、抗菌作用や抗ウィルス作用があります。さらに、イソピノカンフォンという成分もあり、この成分はヒソップの精油の主成分で、粘液溶解作用。つまり余分な粘液を体の外に排出する効果に加え、筋肉弛緩作用もあることが実験で証明されました。

特徴

主な原産地はヨーロッパ南東部~中央アジアで、高さ40~60cmまで成長する半常緑低木で、よく枝分かれして基部から木質化し、深緑色の艶のある細長い葉を対で生やします。このハーブの葉がヤナギの葉に見えることから「ヤナギハッカ」という和名になりました。初夏~夏に唇のような形をした花を数多く咲かせ、青紫色の鮮やかな色になります。

ローズマリーやラベンダーと同じように、霜で葉が落ちても寒さに耐えて冬を越すことが出来るハーブです。

各種利用法

調理

肉や魚の煮込み料理に刻んだ葉を加えることで臭みを消すことができます。特に油の多い魚との相性がいいです。

乾燥させた葉をハーブティーとして利用することができ、スッキリとしたほろ苦い味のティーになります。また、リキュールの香り付けに用いることができるのです。

健康

風邪の初期症状に有効で、気管支や喉の炎症を抑え、鼻詰まりや咳の鎮静に効果的です。さらに、優れた発汗作用や消化器系へのトラブルにも効果が期待でき、神経強壮作用もあることから、ヒステリーや不安などに使用されました。

歴史

古代ギリシアやローマ時代にはすでに知られていて、神聖な場所を清めるのに用いられました。用途として踏みつけると強く香り、防虫効果もあることからストローイングハーブとして床に撒かれたり、魔除けとして室内に吊るすといった使用が多かったようです。

ユダヤ教でも清めのハーブとされ、過越祭で食べられます。聖書にも登場し、詩篇の一部に「ヒソップを持って我を清め給え」という一文がありますが、これは実はマジョラムなどの他のハーブなのではないかという味方もあります。

15~16世紀の中世の時代には、修道院で薬草系リキュールが作られるようになり、その香り付けとして利用されるようになりました。代表的なものはベネディクト派の「ベネディクティン」、カルトジオ教会の「シャルトリューズ」です。

シャルトリューズ
ベネディクティン

学名:Hyssopus offichinalis

読み方:ヒソップス・オフィキナリス

Hyssopus

ヘブライ語でezoph「聖なる木」に由来する説とギリシャ語のhyssoposが語源とする2つの説があります。

offichinalis

薬用のという意味です。

あとがき

今回はヒソップについて解説をしました。

最近コロナが大流行しているので、予防の手段の一つとしてハーブを利用してみるのはいかがでしょうか?

少しでも多くの人がハーブの可能性と魅力に気が付き、日常生活に役立てることが出来るようこれからも尽力していきます。

今回の記事はここまでです。また次回の記事でお会いしましょう。

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  • ハーバリストのための薬用科学 アンドリュー・ペンゲリー フレグランス・ジャーナル社
  • ハーブの歴史百科 キャロライン・ホームズ 原書房
  • ハーブの歴史 ゲイリー・アレン 原書房
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