今回解説するハーブは、中東で活用されるスパイス、フェヌグリークです。
目次
主な作用
抗炎症、浄化作用のほか、胃腸の粘膜を保護する働きに加え、子宮機能を高め、生理痛を和らげる働きが期待できます。さらに、鎮痛作用と血糖値を下げる効果も期待できます。
特徴
中東などではスパイスとしてでなく、貴重なタンパク源です。
高さ40~70cmまで伸び、直立する茎は分岐し、葉は互い違いに生えます。葉の形は楕円形で、全部位に香りがあるのが特徴です。6~8月に白から黄色い花を咲かせ、花後に細長い鞘を付けます。その中に10~20粒ほどの種があり、これをスパイスとして利用します。また、中東原産なため、寒さには弱いです。
各種利用法
料理
発芽した双葉をサラダにすることが可能です。種子はスパイスとしてカレーパウダーやインド料理の香り付けに利用されます。
ハーブティー
種子をハーブティーとして活用し、甘い香りと苦味があるのが特徴です。苦味が気になる場合は、蜂蜜やレモンを加えると飲みやすくなります。
健康
消化不良や胃の痛み、食欲不振など胃腸のトラブルを緩和する効果が期待できます。さらにアーユルヴェーダでも利用され、肝機能を刺激する働きがあると考えられています。
栽培
春に種をまきますが、冷涼地では時期が遅いと豆が収穫できないため注意が必要です。
歴史
栽培の歴史は古く、紀元前7世紀にアッシリアで栽培が始まったとされ、そこからインド中国へと伝播したという説があります。
しかし、紀元前2世紀ごろ、ローマの政治家の一人が干し草にこの草を混ぜると乳牛の乳の出が良くなることを知り、牛の飼料として栽培することを奨励した。という記録も残っており、諸説あります。
古代エジプトでは宗教的な意味合いが強かった為、儀式に用いる香料や燻蒸、ミイラの保存用調合香料などの材料となりました。さらに、果実は栄養価が高く、宗教上的な理由で肉を食べられない人々の貴重なタンパク源でもありました。また、当時の医学書エーデルスパピルスにも記録があり、安産のハーブであるとされていました。
学名:Trigonella foenum-graecum
読み方:トゥリゴネラ・フォエナムーグラエカム
Trigonella
trigon「三角形」と「ella」小さいが合わさり、「小さな三角形」という意味の単語です。
foenum-graecum
ギリシャの干し草という意味になります。
あとがき
今回はフェヌグリークについて解説しました。余談ですが、このハーブの和名はコロハといいます。
少しでも多くの人にハーブの魅力が伝わるよう、毎日記事を書くことで尽力していきます。
今回の記事はここまでです。またの記事でお会いしましょう。