今回は、現在でも使われている薬品の元となるハーブ、メドウスィートについての解説です。
目次
主な成分:サリシン
この成分は、消毒作用と利尿作用があり、特に優れているのは抗炎症作用で、胃酸過多や胸やけ、胃炎、消化性潰瘍に対して効果的です。
特徴
真っすぐ伸びる強靭な茎を持ち、1.2mまで成長します。葉の縁はぎざぎざしており、表は濃い緑色、裏は薄い緑をし、アーモンドに似た香りがあります。また、小さなクリーム色の花が集まった花序にも甘い香りがあります。
湿気の多い森や牧草地、沼地、川岸でよく育ち、ヨーロッパの全土に自生しています。花盛りは7月です。
各種利用法
健康
消化器系の炎症に効果があり、胃酸過多や下痢、十二指腸潰瘍などに活躍します。さらに、関節炎にも利用されるほか、穏やかな利尿作用もあり、尿道炎や膀胱炎など、にも活躍します。
ハーブ療法士の中には、タンニンなどの緩衝作用がある成分を含んでいるため、アスピリンによる内出血を防ぐことができ、含有成分のバランスが優れているハーブのほうが、体への負担が少ないと主張する人もいます。
歴史
メドウスィートは花と葉それぞれが良い香りをしていたため、中世の時代ではストローイングハーブとして人気がありました。また、発酵させた蜂蜜酒の香り付けにも利用されました。
1890年代、ドイツ人の科学者によってヤナギの樹皮とメドウスイートからサリチル酸が単離抽出され、その後製薬会社によってアセチルサリチル酸塩が人工的に合成されました。これが現在のアスピリンです。
あとがき
今回はメドウスイートについて解説しました。
最近の科学の進歩はめざましく喜ばしい反面、その影響で人々はストレスや生活習慣病などといったリスクに晒され、人本来の力を発揮できなくなってしまっているような気がします。なので、こんな時代だからこそ、ハーブの知識や使い方を見直してもいいんじゃないかなと私は思います。
少しでも多くの人にハーブの魅力が伝わるよう、毎日記事を更新していきます。
今回の記事はここまでです。またの記事でお会いしましょう。