今回解説するのは、砂糖のおよそ50倍の甘さを持つと言われるハーブ、リコリスというハーブです。
目次
特徴
地上部の高さは約40~100cmで、根は1~2mまで成長します。6~7月に葉の腋から紫色の蝶のような花がまとまって咲くのが特徴です。
薬用として使われるのは根の部分で、3年のものを。最大の薬効を求める場合は4年目のものが一番良いです。
園芸用の品種でヒガンバナ科のリコリスと混同しないようにしましょう。
各種利用法
ハーブティー
とても強烈な甘さがあるので、苦味のあるハーブと一緒にブレンドすると良いです。また、低カロリーの甘味料のため、ダイエット甘味料として活用されています。
健康
トリペルテンやグリチルチンなどのサポニン類を含むため、消化器系や胃炎といった症状に有効で、傷ついた粘膜を修復するのに一役買ってくれます。
呼吸器系にも作用し、痰の絡む咳や気管支痙攣、息切れ、気管支喘息にも効果が期待できます。さらに、エストロゲンも含むため、女性疾患にも効果が期待できます。
外用薬としても使われ、皮膚炎や単純ヘルペスといった症状に加え、植物性のステロールも含むため副腎皮質を刺激してホルモンを分泌させる働きがあり、ステロイド系治療のサポートにも使われることがあります。
栽培
根がしっかりとおろせるように深く耕しましょう。繁殖は種まき、ランナー、株分けで増やすことが可能です。土よりも砂地を好み、高い湿度と夏の気温が適切です。
歴史
古代ローマ時代にはすでに使われ、抗炎症剤として喉の痛みを抑える薬としてディオスコリデス著作の「薬物誌」に記載されています。
同様に中国でも記録が残っており、最古の本草書の「神農本草経」には強壮、解毒作用が、医学書の「傷寒論」には113の処方に80方のリコリスの使い方が記載されています。
日本には8世紀に渡来し、当時の生薬が正倉院に保管されています。更に先の時代、江戸時代の徳川幕府は、農民にリコリスを栽培させ、甘味料の原料としましたが、明治時代に入り、砂糖が輸入され、衰退していきました。
甘草屋敷
山梨県、甲州市にある甘草屋敷は、重要文化財に指定されています。
学名:Glycyrrhiza glabla
読み方:グリチリイザ グラブラ
glycyrrhiza
古代ギリシャ語で「甘い」と「根」が合わさった単語です。
glbla
無毛のという意味です。
あとがき
今回はリコリスについて解説しました。
リコリスの甘さは好き嫌いが別れてしまいますが、低カロリーゆえダイエットに有効利用することが出来るので、試してみてはいかがでしょうか?
今回の記事はここまでです。また次回の記事でお会いしましょう。