今回解説するのは、あまりメジャーではないですが様々な使いみちのあるアカシアです。
目次
概要
様々なアカシア類が園芸用に栽培され、多くの品種が有効な成分を含みます。用途が多く、薬品や香味料、染料や殺虫剤などに加工されます。
次にアカシア類の代表格を紹介していきます。
Acasia catechu
読み方:アカシア・カテキュ
特徴
葉や木部を茹でると”カテキュ”、”カッチ”、”ケシュー”という名前の物質になります。これらは粘性の物質で冷めると固まるという特性を持ち、16世紀の貴重な輸出品でした。最初にインドから中国、アラビア、ペルシャへと輸出されたものが、17世紀のヨーロッパに渡来しました。
各種利用法
薬用
赤痢、慢性の下痢、慢性のカタル症状に内服することができ、鼻血、発疹、床ずれ、口内炎、喉の痛みや歯周感染といった症状に対して外用として用いることが可能です。
国によってはカテキュの状態のものは、法規制の対象となることがあるので、扱いには気をつけましょう。
ブレンドの一例
下部消化器官の改善
ペパーミント、ショウブ、アグリモニー、メドウスィート
口内殺菌用うがい薬
ミルラ、ウィッチヘーゼル
実用
地域によっては燃料に使われるほか、樹皮は皮なめし剤、カーキ色の染料として利用されます。
Acacia senegal
読み方:アカシア・セネガル 利用部位:樹脂
特徴
非耐寒性の低木で、高さは3~9m,広がりは3~5mとなるアカシアです。天辺が平坦な形に茂り、葉は、灰緑色の複葉で、枝は灰色なのが特徴です。
各種利用法
薬用
鎮静作用に加え、皮膚の炎症箇所に保護粘膜を作ることができ、火傷やただれ、ハンセン病の塗布剤に利用できます。さらに、喉の痛みや咳といった症状にカタルの芳香製剤に加工することが可能です。また、下痢や赤痢の薬の特許製剤の原料でもあります。
実用
食品の添加剤として欠かせないもので、安定剤、乳化剤、砂糖の結晶化の阻止剤として使われています。さらに、チューインガムや砂糖菓子にもこのアラビアガムが添加されています。
Acacia farnesiana
読み方:アカシア・ファルネシアナ 利用部位:樹皮、花、莢、種子
各種利用法
料理
熟した種子は、食用オイルに加工されます。
香料
花は香水の原料となり、この花から採れる”ケシ・アブソリュート”は本物のスミレよりも優れた香りだとされています。そのため、ポットポプリに加えられます。
薬用
樹皮は下痢や皮膚疾患に内服することができ、花は乾燥肌用の入浴剤に利用されます。
あとがき
今回はアカシアについて解説しました。
普段食べている食品の中に含まれる食品添加物は、意外にもアカシアから採れるということが分かり、自身が思っている以上にハーブの世界は複雑で深いということを改めて知りました。
今回の記事はここまでです。また次回の記事でお会いしましょう。