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ハーブ解説 Part114

今回は、過去に書いたアンジェリカの記事のリメイクです。

特徴

約50種類の二年草及び多年草からなるハーブで、主に北半球の温帯に多く生息しています。茎は中空で太く、柄のながい葉は深く裂けています。高さは1~2m、幅45cm~1mと大型のハーブです。別名、セイヨウトウキとも呼ばれます。

各種利用法

利用部位:葉、茎、花、根、種子

調理

茎は砂糖漬け、新芽や若葉はサラダに、種子はいったものが製パンや製菓、薬用リキュールなどの香り付けに利用されます。

実用

種子は芳香剤に、サシェやポプリといった物に加工することができます。また、精油は入浴剤や香水の原料になります。

薬用

アンジェリカはクマリンという成分の一種、アンゼリカンという成分を含み、消化不良や腹痛、疝痛、鼓腸を和らげるほか、血液の循環を良くし、冷えた手足を暖める効果があるので、更年期障害にも効果的です。

さらに、女性の生殖器官や肝臓の強壮効果、鎮静、鎮痛作用もあるため、月経前の諸症状や慢性的な疲労にも効果的です。

香りの効能

精神的な外傷や自身が閉じ込めた怒りを解消し、トラウマや怒りを経験する前の状態に戻す効果が期待できます。。

クマリンを多く含むため、皮膚に触れると光過敏症になる恐れがあるので、多量に服用してはいけません。

ブレンドの一例

アンジェリカ×ローマンカモミール

食欲不振、偏頭痛による吐き気等の消化管機能不全

アンジェリカ×ヤロー

気管支炎、カタル、インフルエンザ

栽培

日向、半日陰で湿った肥沃な土壌を好みます。春か秋に種子をまくことにより増やすことが可能で、こぼれ種でも増えるほど丈夫です。

収穫は葉の場合、花が咲く前に適宜摘み取り、根は秋に掘り上げ、種子は熟したら集めましょう。何れも乾燥させてから加工しましょう。

歴史

中世の時代のペストが流行した折に、とある修道士の夢に天使が現れ、この植物の根を薬に使うよう伝えたという伝説があります。そのため、邪悪な存在に対するお守りと信じられ、ヨーロッパの教会や修道院に植えられるようになりました。

学名:angelica archangelica

読み方:アンジェリカ・アークアンジェリカ

angelica=ラテン語で天使を意味します。
archangerica=大天使ミカエルを意味します。

代表的な品種

トウキ(japanese angerica)

古くから生薬として使われているハーブで、日本では当帰(トウキ)と呼ばれ、これを病人に与えれば回復して健康になって帰る「当(まさに)帰る」という意味から名付けられました。

特徴

高さ20~80cmとセイヨウトウキに比べて小型で、初夏~夏にかけて非常に小さな5弁花を複数つける、副散房花序という形を取ります。

各種利用法

料理

2012年に薬事法が改正され、食用が認められるようになりました。葉はサラダや天ぷら、種子は菓子や調味料など、様々な用途があります。

薬効

アンゼリカと同じような効果があり、冷え、動悸、不眠、精神不安などに効果が期待できます。

歴史

江戸時代、徳川幕府8第将軍、徳川吉宗は、薬主業の振興政策により、本草学者を各地に派遣し、薬草になりうる植物を探させ、全国の藩には栽培が奨励され、各地に特産品が出来るようになりました。

学名:Angelica acutiloba

読み方:アンゼリカ・アクティロバ

acutiloba=尖った裂片という意味です。

あとがき

今回はアンゼリカについて解説しました。

天使の名前を冠するだけあって、神聖なものでありながら人を癒やす、素晴らしいハーブですので、この記事を見て興味が湧いた方は、是非自身の手で育ててみて、その力を試してみてはいかがでしょうか?

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今回の記事はここまでです。また次回の記事でお会いしましょう。

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