今回紹介するハーブは、美食家のパセリの別名を持つアントゥリクス。いわゆるフィーヌ・ゼルブについてです
目次
アントゥクリス
特徴
アニスのような香りを持つセリ科の植物で、日本ではチャービルという名前で親しまれています。高さ20~60cmの多年草で、細い茎は中空となっており、よく分岐する枝に複葉がつくのが特徴です。6月に小さな花が集まった状態で咲きます。
各種利用法
利用部位:葉
料理
フランス料理には欠かせないハーブで、ポテトから肉、魚料理に万能に使え、ラヴィゴットソースやフィーヌゼルブに必ず入ります。
香味野菜やピクルスを刻み、オリーブオイルやビネガーと混ぜ合わせたソースのこと
フィーヌゼルブとは、生のフレンチタラゴン、チャイブ、パセリ、チャービルを刻んで混ぜ合わせたミックスハーブのことです。
薬用
浄化強壮作用、去痰作用があります。また、血液を浄化する働きや肝臓、腎臓の感染症に効果があるとされています。
内服することで体液保持、リューマチ、湿疹、黄疸に効果が期待でき、外用として用いれば、結膜炎やまぶたの炎症、内痔核に有効だとされています。
栽培
寒さに強い園芸品種です。半日陰で水分を保持できる肥沃な土壌を好みます。繁殖には早春~秋の初めに種をまき、20cm間隔で間引きましょう。収穫は花が咲く前に刈り取りましょう。
気温が高く、乾燥した状態が続くと徒長してしまうため、温度の管理は注意しましょう。
歴史
古代ローマ時代には既に登場しており、博物学者プリニウスはしゃっくりを止めるとして多くの人に勧めていました。
中世ヨーロッパの時代では魔力を持つ「魔法のハーブ」という一面と、腎臓や肝臓の浄化に役立つという面があり、大切にされていました。イギリスのハーバリストニコラス・カルペパーは体を温める作用があり、消化不良や月経痛を和らげると記録を残しています。
また、イースター祭の準備期間、四句節では、家族揃ってチャービルの入ったスープを飲むという習慣がありました。
学名:anthriscus
読み方:アントゥクリス
anthriscus
「花が咲き乱れた」、「花の多い」という意味のanthiriskonが語源とされています。