今回紹介するハーブは東南アジアを中心に自生しているヤシ科のハーブアレカです。
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Areca catechu
読み方:アレカ・カテキュ
背の高いヤシ科の植物で50~60種類ほど存在しています。
特徴
灰緑色の幹に長さ2mに及ぶ羽状の葉が特徴です。6年物のカテキュは淡い黄色の花を咲かせ、その後ドングリほどの大きさの種子が入った赤みがかった黄色い実や、赤い色の卵型の実を付けます。
各種利用法
薬用
種子にはアルカロイドやタンニンを含み、唾液腺を刺激し、心拍数を上げ、発汗を促し、空腹感を抑え、疲労感を和らげる作用があります。
さらに、体内の寄生虫や病原体を殺す働きに加えて利尿、緩下作用もあります。主な使われ方としては、獣医がサナダムシの駆除に利用するほか、中国漢方で内服薬として用いられ、、鼓腸を伴う便秘の緩下剤、浮腫の利尿剤に外皮が使われることがあります。
過剰摂取で唾液の分泌増加、嘔吐、意識混濁を引き起こすことがあるので、国によっては法規制の対象となります。
栽培
栽培品種で非耐寒性の植物です。湿った土壌と高湿度を好み、最低気温は16度をキープしましょう。繁殖は気温が24~27℃になった時に種子を蒔きましょう。収穫は実が熟したら集め、乾燥させたものを煎じ薬、成分抽出液、粉末に加工します。
歴史
先述した作用から、インドやマレーシアなどの地域ではアレカの種子を噛むことは、一般的な習慣でした。
ライムの一切れとスパイスをベテルペパーというハーブで包んだものがかつての興奮剤です。
しかし、この種子を噛むことで口腔がんになる可能性が出てきたため、今日では廃れています。
この種子を噛むと種子の色素によって唾液が赤くなり、歯が黒ずみます。
量によってはあの世の片道切符を買って逝くことになるので、そこまで危険を犯してまで噛むような真似は絶対に辞めましょう。