今回紹介するハーブは、高山地帯に多く自生しているアルニカと、日本を中心に北半球の温帯に広く分布しているアサラムです。
目次
Arnica montana
読み方:アルニカ・モンタナ
特徴
ウサギギク属キク科の根茎性多年草で、30種類ほど存在しその殆どは高山地帯に生息しています。
高さは10~60cm,幅50cmで毛に覆われた卵型の葉と根本からロゼッタ状に出ている茎が特徴です。
英名ではmoutain tobaccoと呼ばれます。
各種利用法
利用部位:花
実用
ロックガーデンやピートの花壇に植えることで華やかさを演出することが可能です。
薬用
苦い芳香と収斂性のあるハーブで、免疫系統、鎮痛、消炎作用に加え、白血球の働きを促進させて細菌や真菌に対する抗菌性や浄化力を高めることが知られています。
内服ではウィッチヘーゼルと共に使われることが多く、心不全、解熱、冠動脈の応急手当に使われます。外用薬では脱臼、捻挫、打撲、創傷治癒にリニメント剤やクリーム類が使われます。また、喉用のうがい薬に加工されることもあります。
外用では接触性皮膚炎、内服では虚脱を引き起こすことがあり、専門の資格を持つ方のみ取り扱いましょう。また、イギリスでは外用薬のみの使用が許され、アメリカでは法規制の対象となり、野生の品種を採ることも禁止されています。
栽培
栽培品種で耐寒性があります。日向で水捌けの良い腐植土豊富な酸性の土壌を好みます。繁殖には秋に種を蒔くか、春に株分けで増やしましょう。収穫は完全に開花したものを乾燥させたものをクリームや成分抽出液、リニメント、チンキに加工できます。
歴史
ドイツやオーストラリアでは一般的な薬として使用され、最近の研究では治療上の効果と毒性が両方とも証明されました。
ドイツを代表する小説家ゲーテは、晩年扁桃腺の治療のためにアルニカのハーブティーを飲んでいたとされています。
学名の語源
葉の柔らかな質感から古代ギリシャ語で「小羊の皮」を意味する、arnakisに由来しています。
まとめ
一般的な薬として使われているハーブで鎮痛、消炎作用があることから傷薬になるとして活用されているハーブ。