今回紹介するハーブは、ヨーロッパで伝統的な外傷用のハーブとして使われる、ベレス。所謂デイジーです。
目次
Bellis
ヨーロッパや地中海沿岸を原産地とする耐寒性の一年草でや多年草7種類が存在し、草地のいたる所で満ち溢れているハーブで、薬草としても長い歴史を持ちます。語源は、ラテン語のbellus「かわいい」から来ているようです。
Bellis perennis
読み方:ベレス・ペレニス
高さ2.5cm、幅7~12cm程で、根本からロゼッタ状に広がる茎と倒卵形の葉を持つ多年草です。
春から夏にかけて明るい円盤状の中心と白やピンクがかった舌状花。いわゆる舌に似た形の花びらをつけます。
各種利用法
利用部位:葉・花
料理
若葉や蕾、花は香りが良く、酸味があるためサラダに加えるとアクセントになります。
薬用
収斂、治癒、去痰性のハーブ。鎮痙作用に加えて咳、カタル症状に内服することが可能です。外用としてヘルニア、静脈瘤、軽いキズ、目の痛み、涙目に有効です。また、ホメオパシー療法では重度の打撲傷に効果が期待できます。
栽培
耐寒性を持ち、日向、半日陰の水捌けの良い土壌を好みます。繁殖は春に温室などに種を蒔きます。ロックガーデンやコンテナでも簡単に栽培することができ、次々花を咲かせるには、咲き終わった花がらを摘み取るようにしましょう。
歴史
伝統的な外傷用のハーブであることは書きましたが、最近の研究ではHIV治療薬としての可能性があると判明しました。
また、記録に残っているものではジョン・ジェラルド著「本草書または一般植物」では、”デイジー類はあらゆる痛みを緩和し、特に関節痛と痛風に効く。新鮮な無塩バターと共につきつぶし、痛むところに塗る”と書かれています。
その他の品種群
B.P.”pommonetta”
読み方:ベレス・ペレニス・ポンポネッタ
春の花壇やロックガーデンに向く品種です。直径3.5cmになるピンク、淡紅色、白い八重咲きの花を咲かせます。
B.P.”Prolifera”
読み方:ベレス・ペレニス・プロリフェラ
変わった咲き方をするデイジーで、エリザベス朝時代には「子連れデイジー」と呼ばれていました。白やピンクがかった花が八重に咲き、大きな花から小さな花が出てくるという珍しい咲き方をします。
あとがき
今回はデイジーについて解説しました。
花壇でもよく見かけるあの花は、実は古くから利用されていたという事実を知り、ハーブの奥深さを改めて知り、まだまだ知らないことがたくさんあって、自らの未熟さをかんじさせられました。
次回からはまた2種類に戻します。しかし、時々一種類のみの紹介となり、内容が薄くなってしまうこともありますので、読んでくださってる方は大変申し訳無いです。
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今回の記事はここまでとなります。また次回の記事でお会いしましょう。