今回紹介するハーブは、優雅なシルエットが特徴的なバーチです。
目次
Betura
俗称ではバーチと呼ばれる耐寒性の落葉樹で、生長の早い高木と低木合わせて約60種類が北半球に分布しており、どんな土壌でも耐えられる強さを持った植物です。特にヨーロッパやロシアではメジャーな薬用植物で、特に関節炎の薬を作るときの材料になっています。
B.pendula
読み方:ベトゥラ・ペンドゥラ
特徴
枝が垂れ、銀白色の樹皮が剥離する落葉高木です。春に雄花と雌花が同じ株に咲き、雄花はぶら下がり、雌花は直立して咲くのが特徴です。
各種利用法
実用
樹皮は発酵させてビールやワインなどの酒類やお酢に加工することができます。
薬用
苦い収斂性のハーブで、利尿、消炎、鎮痛、発汗促進作用があり、緩下剤としても使われることがあります。また、とある開業医により、ネトルとバーチを3日間交互に与え続けることにより慢性中毒症に対して非常に有効であるということが発見されました。
リューマチ、関節炎、痛風、動脈硬化、尿閉、膀胱炎、腎臓結石、皮膚の発疹、発熱に内服され、白癬などの皮膚疾患にバーチオイルが外用で使われることがあります。
栽培
園芸品種で耐寒性があります。日向、半日陰でアルカリ性の土壌を好み、P.H.6.5以下なのが望ましいです。
収穫は、若芽と葉は春に摘み取り成分抽出液や湿布薬、チンキ剤に。樹皮は必要に応じて剥ぎ取り、蒸留することによってオイルを採ることが可能です。樹液は完全に成長したバーチに穴を開け、1本あたり82リットルまで採ることができます。
その他の品種群
B.P”nigra”
読み方:ベトゥラ・ペンドゥラ・ニグラ
英語ではレッドバーチと呼ばれる北米原産種です。主に皮膚疾患や外傷の手当に利用されます。ちなみに、学名でnigraは「黒の」という意味ですが英語ではレッドバーチと呼ばれるため、ちょっと混乱しそうですね。
B.P.”lentha”
読み方:ベトゥラ・ペンドゥラ・レンタ
サリチル酸メチルを含む甘い香りのバーチオイルを産出し、そのオイルは香水や歯科用品に利用されるほか、木部は木炭や紙、糸巻き、玩具、魚の燻製など多岐にわたる用途があります。また、こちらは「ブラックバーチ」と呼ばれ、こっちに学名の「nigra」をつけるべきだったのでは?と思いました。
B.P”Peau d’Espagne”
読み方:ベトゥラ・ペンドゥラ・ポウ デスパーニュ
樹皮が皮なめしで使用されるほか、細くしなやかな枝を持つため、箒に最適です。また、かつては罪人を打ち付ける棒や鞭として利用されていました。
B.P.”laciniata”
深い切れ込みの入った葉をつけるのが特徴です。英名がSwdishu birchといい、1767年にスゥエーデンで野生種が発見されたことに由来します。
B.P.”Tristis”
この品種は左右対称の梢とうなだれる枝を持つ背の高いシルエット持つ品種です。
あとがき
今回はバーチの解説をしました。
この木は扱いやすく育てるのも容易な上に色々な使い方ができるためにヨーロッパやロシアではメジャーな植物になったのではと予想しています。実際北国の森のイメージは個人的に白樺がまっさきに思い浮かびました。
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今回の記事はここまでとなります。また次回の記事でお会いしましょう。