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ハーブ解説 Part143

今回は、西欧やアメリカでは欠かせないソースであるマスタード・・・の原料であるブラックマスタードという植物について解説します。

学名 Brssica

ブラッシカと読み、耐寒性の一年草や多年草のハーブです。約30種がユーラシア大陸に分布しています。俗称であるマスタードの語源は、「発酵不全」を意味するmustumと「焼けるような」という意味のardensが合わさった単語です。

B.juneca

読み方:ブラッシカ・ユネカ

特徴

俗称はブラウンマスタードといい、高さ1m、幅30cmまで成長し変則的な切れ込みをつける一年草です。夏に淡い黄色い花を総状花序につけ、黒っぽい赤茶色の種子の入った莢を付けます。この品種は治療目的よりも料理に使われることが多いです。

料理

若葉をサラダのように調理し、種子は他のマスタードと混ぜて使用します。ロシア産のブラウンマスタードやサレプタマスタードは単独で使用されます。特にサレプタマスタードは特に香りが良く、丸ごとカレーやピクルスに入れたり、熱して辛味を飛ばしてナッツのような香りを引き出す時に使います。

B.nigra

読み方:ブラッシカ・ニグラ

特徴

沢山の枝分かれした茎と、葉縁の切れ込みが浅い竪琴型のはを持つ一年草です。鮮やかな黄色い花を咲かせ、小さな四角い直立した鞘を付けます。クロガラシはブラウンマスタードの7割り程度の辛さですが、機械で収穫が可能なため採算が取れます。

各種利用法

利用部位:葉、種子、オイル

料理

若葉と花はそのままサラダにし、種子はマスタードに加工するか、丸のまま利用しましょう。

各国で使われるマスタード

アメリカ⇒ホワイトマスタード

イギリス⇒ブラックとホワイトのミックス

フランス⇒ブラウンマスタード

薬用

辛い加温性のハーブです。循環器系、皮膚粘膜に炎症を引き起こします。外用として湿布、辛子軟膏、リューマチ、筋肉痛、しもやけ、気道感染用の入浴剤に利用可能です。またオイルには、強力な抗菌作用、抗真菌作用があります。

伝統的な使い方としてマスタードの足浴は風邪、頭痛の古くから伝わる治療法であり、いふにマスタードがつくと赤くなるのは、血行が良くなるためで、毒素の除去に繋がります。

過剰摂取は強い催吐作用を引き起こすほか、敏感肌の人が長時間触れると水疱ができることがあります。

辛さのメカニズム

マスタード特有のあの辛さは、種子に含まれているシニグリンという成分が砕かれたり水を加えることで同じく種子の中にあるミロシナーゼという酵素によってアリルイソチオシアネートという不安定な成分に加水分解されるためです。

栽培

栽培品種で耐寒性があります。日向で水捌けの良い肥沃な土を好み、繁殖は春に種を蒔きます。葉と花は若いうちに摘み取り、生で使用します。莢は色が変わり始めたら摘み取り、乾燥しながら熟成させます。こうすることで畑に種子が溢れるのを防ぎ、完全に乾燥させることで長期の保存も可能となります。

歴史

古代の時代から刺激性の香料、緑色野菜、薬用成分として供給されていました。西欧で香辛料が使われたのはB.C400年代の頃で、薬用として利用されたのは中国A.D.400年頃のことです。刺激のある味を好んだ古代ローマ人が持ち込み、そのまま帰化したとされています。

あとがき

今回はマスタードについて解説しました。

いつの時代も香辛料は注目の的で、刺激があるということは人気があったということになりますね。土手や空き地でも見かけることができ、満開の花は中々見ものですので、近くに土手がある場合は散歩に行くついでに鑑賞してみてはいかがでしょうか?

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今回の記事はここまでとなります。また次回の記事でお会いしましょう。

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