今回は過去記事のリメイクということで、キャラウェイについて改めて解説していきます。
目次
Carumとは?
二年草と多年草の約30種がヨーロッパや北アフリカ、温帯アジアに分布しており、湿った草地や荒れ地で見ることができます。
Carumu Carvi
生態
読み方:カルム・カルウィ
直立性の2年草。
紡錘形の主根が特徴。茎の中は中空でありながら深い切れ込みのあるシダに似た葉を付けます。
小さなピンクがかった白い舌状花が2~4cmの散形花序に咲かせ香りの良い長楕円形の実を結びます。
種子の独特な風味は揮発性オイルの一種カルボンによるものです。
学名の由来は、現代トルコの南アディンと西ムーラーにあたる古代小アジアの地名カリアに因む。
各種利用法
利用部位:葉・根・種子・オイル
料理
葉には穏やかな風味があり、ディルとパセリを併せ持った香りがし、スープの浮身やサラダに用いられます。
根も野菜として食べられているほか、種子はユダヤ料理やヨーロッパ北部、東部の料理に欠かせない。
焼き菓子やパン(特にライ麦パン)、グヤーシュ(goulashu)、ザワークラウトなど。
チーズ、リンゴ料理、リキュール(キャンメル)、蒸留酒の香味料として利用されています。
ほかにも、砂糖で包んだコンフィッツやシュガープラムは消化剤として食べられている。
ハーブティー
クセがなくやや甘い爽やかな香りがする。
食後のティーとして飲めば口臭を防ぎ、食べ過ぎなどの腹痛を和らげる効果が期待できます。
そのため食後にこのハーブの種子を噛むという習慣が残っているようです。
薬用
ツンとする芳香のある刺激性のハーブで胃腸と子宮の鎮痙、去痰作用があります。具体的な作用は以下の通り。
内服
・消化不良
・鼓腸
・胃潰瘍
・下痢
・気管支炎
・裂孔ヘルニア
・気管支炎
・月経痛
・疝痛(特に子供)
外用
・咽頭炎
・腹痛緩和の緩下剤
・消化機能不全
エネルギーとしての働き
まろやかな甘さが体に染み渡り、下、喉、食道へ穏やかな刺激を伴いながら流れます。
エネルギーは胃のあたりでゆっくりと満たされます。
その後胃腸に滞っている冷たく重い湿ったエネルギーをこのハーブのエネルギーによって取り除くようなイメージです。
栽培
日向の水はけの良い土地を好み、繁殖は春か秋に種子を蒔きましょう。
寒冷地では春播きの種子が熟さないことがあるので注意しましょう。
セリ科の植物のため移植を嫌うので、種子をそのまま路地やプランターに直まきをしましょう。
また、種子を取る場合には大株に成長する秋にまくのがオススメです。
花はアブラムシをエサとする寄生ジガバチを引き寄せることがあります。
歴史
13世紀に入ってからヨーロッパで紹介されるまでは、5000年間中東で栽培されていました。
かつては様々なハーブがキャラウェイに分類され、パセリやセロリなどがキャラウェイの仲間とされていました。
古代エジプトの医学書エーデルスパピルスにも登場し、アニス・コリアンダー・ガーリックの記載があり、古代ギリシアでは香油が病気の治療に使用されていました。
古代ローマ時代、ヨーロッパの各地を征服していたローマ軍の兵隊食にりようされ、時の皇帝ジュリアス・シーザーは「カラ(chara)」と呼んで珍重していました。
世界の広がった要因として、紀元前3000年頃に実在した海運技術に優れた人々フェニキア人によってヨーロッパ諸国に運ばれたからだと言われています。
日本に到来したのは明治初期の頃で、当時大流行したカルルスせんべいというお菓子にキャラウェイシードが使われていました。
キャラウェイシードには物を引き止める力があるとされており、家畜に食べさせれば行方不明にならないや夫婦や恋人同士でこの種子を食べれば長く添い遂げられるというロマンチックな言い伝えがあります。
中でも面白いのが、大切なものの中にキャラウェイシードを入れておけばなくさず、仮に盗まれそうになっても、盗んだ人は持ち主が現れるまで動けなくなるというなんとも荒唐無稽に思えるような説話も存在します。
あとがき
今回はキャラウェイについて改めて解説しました。
キャラウェイについてそこまで知らなかった時はせいぜい料理にちょこっと使うくらいかな?程度でした。
実際には精油は香料に用いることができ、人の歴史とも密接に関わっており、昔の人々の知識はやはり偉大で、畏敬の念を抱かずに入られませんでした。
キャラウェイに限らず、ハーブそのものの薬効ばかりに目が行きがちですが、最近はとある本の影響で目に見えないエネルギーによる働きも着目しています。
その本の内容を語ると1記事出来上がりそうなレベルなのでここでは割愛しますが、読んだ感想を一言で表すならば、人の体は思った以上に複雑で幾重にも折り重なったような不思議な生き物なんだなと感じました。
いつも読んでくださる貴方へ
今日まで書き続けることができたのは読んでくださっている人のおかげです。
拙い記事ではありますがこれからも書き続けていこうと思うので、どうか応援して下さると大変嬉しく思います。
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今回の記事はここまでとなります。また次回の記事でお会いしましょう。
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・ハーブの歴史百科 原書房 キャロライン・ホームズ
・ハーブの歴史 原書房 ゲイリー・アレン
・ハーバリストのための薬用科学 フレグランス・ジャーナル社 アンドリュー・ペンゲリー
・ハーブティー辞典 池田書店 佐々木薫
・ハーブ大全 小学館 リチャードメイビー
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