今回解説するハーブはカスタノスペラムムという大木です。
Castanospermumu australe
オーストラリアとニューカレドニアの森林や海沿いに自生する常緑樹です。こんもりとした姿で高さ20m、幅8mと大きく成長します。
皮のような羽に似た葉は約18cmと大きくなります。夏に黄色い花を咲かせますが、時間が経つとオレンジや赤などに変化するのが特徴です。
25~30cmの偏重でカーブした鞘ができます。しかし、中身の種子は有毒なため間違っても食べてはダメです。
属名のCastanoはギリシャ語のtanon「くり」とsperma「種子」に由来します。
カスタノスペルシン
このハーブに含まれる特有の成分で、新しいタイプのアルカロイドのため、注目が集まっています。最近の研究ではHIVウィルスに対しての効果を試験中のようです。また、種子にはサポニンも豊富に含んでいます。
各種利用法
栽培
園芸用品種です。南国が原産なため寒さに耐性はあまりありません。
日向の水はけの良い土壌を好み、最低気温は10~15℃を維持しましょう。繁殖は春に種をまき、収穫後の種子は熟したら集められ、薬剤研究用に処理されます。
歴史
アボリジニの人々は8~10間水につけて毒性を減らした種子にを炒って乾燥させ、粗挽き粉にしたものを食します。
参考文献リスト
・ハーブのすべてが分かる辞典 ナツメ社 ジャパンハーブソサエティー
・ハーブの歴史百科 原書房 キャロライン・ホームズ
・ハーブの歴史 原書房 ゲイリー・アレン
・ハーバリストのための薬用科学 フレグランス・ジャーナル社 アンドリュー・ペンゲリー
・ハーブティー辞典 池田書店 佐々木薫
・ハーブ大全 小学館 リチャードメイビー
・ハーブ大百科 デニ・バウン 誠文堂新光社