今回解説するハーブは、オーストラリアのマダガスカル諸島が原産のペリウィンクルです。
目次
chataranthus
この属は8種ほど存在し、現地ではどこでも見かけることの出来る雑草扱いのちょっと気の毒なハーブです。しかし、このハーブの真価は成分にあり、なんとアルカロイドを75種近く含んでいるという点が大きな特徴です。
C.roseus
読み方:カタラントゥス・ロセウス
この品種はマダガスカル・ペリウィンクルと呼ばれており、半亜熱帯では均整の取れた姿と可愛らしい花のおかげで室内用植物や夏花壇用の植物として栽培されています。
高さ60cm、幅30cm程の小型の多年草で直根性です。長さ5cmになる葉は艶のある卵型をしており、花は扁平で中心がピンク色になり、外側に向けるにつれて淡い色となるのが特徴です。
各種利用法
利用部位:葉
薬用
収斂、血糖値の降下、発汗促進、子宮の刺激作用があり、西インド諸島では糖尿病に、モーリシャス、ベトナム、スリナムでは喘息に、アフリカ、フィリピンでは月経を調整するのに内服されます。
このハーブに含まれるアルカロイド系化合物の一種で、血糖値を下げる働きがあるものを含め、100種類以上存在します。ビンブラスチンやビンクリチンといった成分は子供の白血病やホジキンリンパ腫、その他がん治療に使われます。しかし副作用もあり、吐き気や脱毛、骨髄機能が低下するというさようが引き起こされます。また、ビンカミンという成分は止血や収れん作用があります。
栽培
園芸品種で非耐寒性です。日向の水はけの良い土壌を好み、実生苗の育成には最低18℃、花を咲かせるには13℃必要です。つまり寒さに晒してストレスを与えなきゃダメってことですね。繁殖には春に種を蒔くか、花のついていない脇芽を挿し木にして増やしましょう。
収穫は開花直前か開花中に葉を摘み取り、乾燥させたものを成分抽出液、チンキ剤に加工します。また、アルカロイドも単離抽出することも可能です。
歴史
このハーブに含まれるアルカロイドの使用は、アメリカの製薬会社が薬用成分の開発に選んだ1950年代に進みました。この成分に白血球の減少作用があることが発見され、がん治療に一大革命が起こりました。また、アルカロイドは単離抽出した状態だと猛毒です。しかし、植物全体を使った場合作用が全く異なります。
あとがき
今回はペリウィンクルについて解説しました。
名前だけは知っていましたが、まさか園芸で使われる植物から沢山のアルカロイドが抽出されるとは、やはり自然界はまだまだ未知の世界であることを改めて知ったハーブでもあります。また、アルカロイドは何度も書いていますが猛毒なため、専門の資格を持つ有資格者のみ取り扱いをしましょう。
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今回の記事はここまでとなります。また次回の記事でお会いしましょう。
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