今回は俗称ではトコンと呼ばれるハーブを解説していきます。
目次
Cephaelisとは?
トコン属と呼ばれるこの非耐寒性の植物群は180種存在し、大部分は常緑の灌木や低木でアルカロイドを含んでいることで有名です。
そのためシンガポールやマレーシアではゴムの木の下で大規模栽培されています。
なぜゴムの木の下かという理由は、このハーブが熱帯雨林の下層木。
簡単に言うならば、地面との距離がそこまで高くないため、ゴムの木の生息域と被らないからだとされています。
C.ipecacuanha
読み方:ケパエリス・イペカクアンハ
高さと大きさ共に30~50cm程の細い常緑灌木で、匍匐性の根茎と艶のある先の尖った卵型の葉をつけます。
雨季にはトランペット型の白い花を咲かせ、その後2つの種子が入った青紫色の実を結ぶのです。
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各種利用法
利用部位:根
薬用
強烈な刺激作用を持つハーブです。主に胃腸の刺激、解熱、アメーバの赤痢胞子形態防止作用があり、咳や百日咳、アメーバ赤痢に内服されます。
また、小児が毒物を誤飲してしまったときの瀉下剤の材料としても利用されることがあり、この方法は胃洗浄よりも負担が軽いようです。
さらに、他の使われ方として、吐き気に対するホメオパシーのレメディに使われることがあります。
栽培
非耐寒性の栽培品種です。日向の水はけの良い腐植土が豊富な土を好み、十分な湿度と温度が必要です。
最低気温は15~18度を維持できる環境が望ましいでしょう。
繁殖は春遅くの21~24℃頃に砂質の培養土を用意してそこに挿し木をするか、収穫時に株分けをするのも方法の一つです。
収穫は花が咲いたら根を掘り上げて薬品製造業で使用します。
歴史
植民地時代、一人の修行僧によってポルトガルにもたらされる何世紀も前からブラジルの原住民たちは薬として利用していました。
それから年月が経ち、とあるパリの医者が赤痢に効果があることを確かめ、1688年にその医者が制作した特許製剤を1000ルイドール(現在の値段で1億円程)で売り渡しました。
現在では東洋で栽培され、多くの咳止め特許製剤の材料となっています。
Cephaelis
まとめ
南米が原産の低木でかなり強い作用のある植物。
強力すぎて分量が多いと激しい嘔吐を引き起こすということもあるので扱いには専門家のもとで。
ですが先住民はその強さを知っていてたため薬として用いていたのです。
あとがき
トコン属のように何世紀も前から利用されているにも関わらず、日の目を見ないハーブたちがたくさんあり、少しでも多くの人に知ってほしいと願っています。
今更な気がしますが、あまりにニッチすぎるハーブを紹介して需要があるのかという疑問は残りますけども、「へーこんなハーブがあるんだー」と覚えてもらえれば幸いです。
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今回の記事はここまでとなります。また次回の記事でお会いしましょう。
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