今回解説するハーブはオレンジ色の液汁が滲むchelidoniumの2種類です。
目次
Chelidonium majus
読み方:ケリドニウム・マユス 和名:クサノオウ
このハーブも一種からなる属で、見た目がヒマラヤポピーにそっくりです。
主にユーラシアの温帯と亜北帯に自生しており、土手や低木、塀沿いや家の近くの空き地で見ることができます。
このハーブの大きな特徴として、短い根茎と傷つきやすい茎を持ち、傷つくとオレンジ色の液汁が滲むのが特徴。
初夏から盛夏まで咲く4弁花のあとに、黒い種子が入った蒴果を結びます。
各種利用法
薬用
清浄、抗炎症作用のあるハーブです。
主な作用として胆汁分泌の促進、子宮と循環器系の刺激、抗けいれん、利尿、緩下作用があり、症例として黄疸、肝炎、潰瘍(特に皮膚・胃がんに効果があるとされる)に内服で使用が可能です。
また、外用では目の炎症、打撲、捻挫、イボ、白癬、乾癬、悪性腫瘍に利用可能です。
栽培
園芸用の品種で耐寒性があります。日向、日陰、湿地や乾燥地帯など、どんな環境にも適応できる丈夫なハーブです。
繁殖は種まきや株分けで増やすことが可能ですが、こぼれ種でも勝手に増えるほど丈夫です。
収穫は夏に花ごと刈り取り、生のままチンキや成分抽出液に加工しましょう。樹液は乾燥させると成分が殆ど失われてしまうためそのまま利用するのが鉄則です。
歴史
かつてはこの植物から取れた液をイボやウオノメに直接塗って治す方法が主流でした。また、特徴税ではこの液の色が胆汁に似ていることから、肝臓疾患に効くとされていました。
その他の品種
C.majus “Lacinitum flore pleno”
基準種よりも小型で深く切れ込んだ葉を持つ品種です。基準種よりも目立たず小さな花が咲きます。1590年にドイツのハイデルベルクで発見されました。
C.majus “Flore Pleno”
八重の黄色い花を咲かせる品種です。
あとがき
今回はクサノオウについて解説しました。
クサノオウはオレンジ色の樹液を出すという特性。どちらも長い進化の過程で会得したものでどうしてそうなったのか気になり、進化の神秘の一端を垣間見た気がしました。
今日まで書き続けることができたのは読んでくださっている人のおかげです。
拙い記事ではありますがこれからも書き続けていこうと思うので、どうか応援して下さると大変嬉しく思います。
今回の記事はここまでとなります。また次回の記事でお会いしましょう。
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