ハーブ一覧

ハーブ解説 Part182

今回解説するハーブは有毒植物の中でもかなり有名な部類で、ミステリー小説やサスペンスドラマなどに登場するドクニンジンです。

Conium

多年草の2種が温帯地域に分布しており、ヨーロッパと温帯アジアの路端で見かけることが多いという、有毒なのに意外にも手に入りやすいという恐ろしい植物で、オーストラリアにも一部帰化しています。2種類とも猛毒を持ち、こぼれ種でも増えるため料理用のハーブや幼児の手が届く場所での栽培はNGです。属名はそのままギリシャ語でドクニンジンを表すKoneionがそのまま由来となりました。

C.maculatum

読み方:コニウム・マクラトゥム 別名:hemlocu,poison parsley

背の高い匂いの強い2年草です。繊細な切れ込みのある卵型の葉は約30cmになり、茎には紫色のまだら模様が入っているのが特徴です。

各種利用法

薬用

癇癪、躁病、舞踏病、痙攣、喘息に内服されます。外用では乳腺炎、悪性腫瘍(特に乳がん)、キレ痔及び内痔核に有効で、通常オイルや軟膏の形で使用します。

ホメオパシーではめまい、不安、うつ、月経前緊張症に利用されますが有毒植物なため、有資格の専門家のみ扱いましょう。

コニイン

この植物に含まれている代表的なアルカロイド成分で、この成分は呼吸器系の神経を麻痺させるという作用があるので、心臓停止の前に呼吸困難で窒息死します。過剰摂取をすると瞳孔拡散、意識不明、痙攣(動物の場合は特に後ろ足)などの症状が起こり、最終的に死に至ります。そのため、国によっては法規制の対象となります。

栽培

野生種で耐寒性があります。日向か半日陰の肥沃な土壌を好み、繁殖には春に種をまきましょう。国によっては麻薬とみなされることもあり、特にオーストラリア諸州では厳しく取り締まっています。葉は初夏に、実はその少し後に集められ産業規模で軟膏、オイルに加工されています。

歴史

この植物が医療用として使用された最初の記録はAD1世紀です。ディオスコリデスがヘルペスと丹毒の外用薬として使ったのが最初とされています。

古代アテネの時代では死刑にこの植物を使った中毒死が採用されており、最も有名な死者は哲学者のソクラテスです。ユダヤ教の法律では磔や石打ちの刑に処された罪人の痛みを和らげるためにこの毒が使われていたようです。その後何年も経った1886年に最初に合成されたアルカロイドがヘムロックです。

あとがき

今回はドクニンジンについて解説をしました。

やはり植物は有毒なものは恐ろしく、まさか哲学者のソクラテスが死刑になって毒を飲まされていたということを初めて知って衝撃的でした。どうして殺されなきゃ行けなかったのかは疑問がありますが、さらにユダヤの法律で罪人に痛みを和らげるために使ったということを知り、それは逆に苦しいのではと思い、いっそ楽にしてあげればいいのにと考えが浮かびましたが、がこればかりはどうしようもないのかなと思ってしまいました。

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今日まで書き続けることができたのは読んでくださっている人のおかげです。本当にありがとうございます。拙い記事ではありますがこれからも書き続けていこうと思うので、どうか応援して下さると大変嬉しく思います。

今回の記事はここまでとなります。また次回の記事でお会いしましょう。

参考文献リスト

・ハーブのすべてが分かる辞典 ナツメ社 ジャパンハーブソサエティー
・ハーブの歴史百科 原書房 キャロライン・ホームズ
・ハーブの歴史 原書房 ゲイリー・アレン
・ハーバリストのための薬用科学 フレグランス・ジャーナル社 アンドリュー・ペンゲリー
・ハーブティー辞典 池田書店 佐々木薫
・ハーブ大全 小学館 リチャードメイビー
・ハーブ大百科 デニ・バウン 誠文堂新光社
・エッセンシャルオイルデクレファレンス 第6版

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