今回解説するハーブは、香料として利用されますが毒を含んでいるスズランです。
目次
Convallaria
根茎性の多年草3種が北半球の温帯に分布しており、学名は自然の生息地を指すラテン語のconavaris(谷間)と花の咲く時期5月を意味するma-jalisに由来します。
Convallaria majalis
読み方:コンヴァラリア・マヤリス 英名:llily of the valley,May lily
匍匐性の多年草で、卵型ないし長円形な一対の葉を付けます。春の終わりに5~13個の白い鐘形の香り良い光沢がある花を総状に咲かせます。その後赤い実を結びます。
各種利用法
利用部位:全体、草、花、オイル
薬用
苦い利尿性のハーブです。心臓と心臓血管系統の強壮作用があり、心不全、扁桃腺炎による動脈硬化、動脈性の低血圧に内服されます。有毒なため有資格者のみ扱いましょう。
実用
揮発性のオイル、ファルネソールを含んでいるため香水や嗅ぎ薬として利用されています。
栽培
園芸品種で耐寒性があります。半日陰の湿った土壌を好みます。繁殖は春に種を蒔くか、秋に花が咲き終わったら株分けで増やすことができます。収穫は葉か花を春に摘み取り、生か乾燥させたものをチンキ剤に加工します。乾燥させることによりグリコシドが減少します。花は春に摘み取り、揮発性のオイルを抽出します。
歴史
ヴィクトリア朝時代、促成栽培したスズランが冬の装飾品として人気を博し、”ベルリン・クイーン”の名でドイツから大量に輸入されました。スズランが薬用として記載されたのはAD2世紀頃のアプレイウスの著書です。現在では広範囲に至る成分と効能が研究で明らかとなり、重要性が増しました。スズランはフォクスグローブに似た作用がありますが、蓄積しにくいため、高齢の老人にも使用できるため安全性が高いです。
その他の品種群
Convallaria majalis “hardwick hall”
葉に金色の縞が入った品種。日陰で栽培すると縞が消えてしまう傾向があるので気をつけましょう。
Convallaria majalis “Albostriata”
この品種はとても幅の広い葉の縁に金色のまだら模様が入り、それが時々葉の裏側に回って帯のような模様になることがあります。
あとがき
今回はスズランについて解説をしました。
ここ最近は有毒植物ばかり取り上げている気がしますが、使い方を間違えなければ有効な薬として扱うことが出来ることを頭の片隅に置いていただければ幸いです。
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今回の記事はここまでとなります。また次回の記事でお会いしましょう。
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