今回解説するハーブは、かつて北米の原住民たちが薬として使っていてた植物、ホースウィードです。
目次
Conyza
読み方:コニザ
50種ほどの一年草と多年草からなる属で、主に北米に生息していましたが、現在ではヨーロッパ、アジア、オーストラリア、そして太平洋の島々に生息域を広げています。
Conyza canadensis
読み方:コニザ・カナデシス 英名:horseweed 日本名:ヒメムカシヨモギ
背の高い一年草で、細い鋸歯状の葉を付けます。夏の終りと初秋に淡い藤色がかった緑白色の舌状花と黄色い筒状花からなるアザミに似た花を円錐花序に付けます。このハーブはカナダ南部からアメリカを経て、熱帯アメリカに至る広い地域で見かける雑草です。
各種利用法
薬用
苦く、かすかな芳香性のあるハーブです。利尿、止血作用があり、下痢や出血、月経過多、腎機能不全、気管支疾患に内服できます。また外用では湿疹や白癬にも有効です。
栽培
栽培種で耐寒性があります。日当たりの良い砂質の脆い土地を好み、殆どの環境に耐えることが出来、そのため大きさが変化することもあります。繁殖は春に種をまきましょう、収穫は花が咲いたら全体を刈り取り、オイル、成分の抽出には生のままが最適です。乾燥させてしまうと一年と保たないので気をつけましょう。
歴史
1653年にブロアの植物園で記録され、30年以内に世界中に広がり、1690年代にはイギリスでも見られるようになりました。見栄えが悪いため恐らく薬用として輸入されたものが野生化して世界各地に広がったと思われます。
1839~1916年に米国薬局方に収録されるまでは北米先住民のハーブでした。ホウマ族、オジブウェ族、メスクァーキ族、カタウバ族、クリー族その他多くの部族が下痢や内痔核、月経不順の治療薬として利用し、また虫よけにも利用していたことから、カナディアン・フリー・ベイン(カナダ産蚤殺し)の名前が付きました。
あとがき
今回はコニザについて解説をしました。
これらは見かけることがあっても薬用になるとは知らず、やっぱり植物は奥が深いということを思い知らされ、底しれぬ力があるという事を感じました。
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今回の記事はここまでとなります。また次回の記事でお会いしましょう。
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・ハーブの歴史百科 原書房 キャロライン・ホームズ
・ハーブの歴史 原書房 ゲイリー・アレン
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