今回解説するハーブは、タイやベトナムでは欠かせない香辛料であり独特な風味を持つ香草であるコリアンダーです。
目次
Coriandrum sativum
読み方:コリアンドゥルム・サティウム
直立性の一年草で刺激的な香りがし、夏には藤色がかった白い花が咲き、熟すと甘い美味しそうな香りのする茶褐色の淡い果実を結びます。
別名シャンツァイやパクチーなどと呼ばれる細い一年草2種が西南アジアや北アフリカに分布しています。原産地では耕地や空き地で見られる雑草として見られていますが、最も古くから栽培されているハーブの一つで、3000年以上も前から栽培されていました。
中世の時代によく効くとされていた薬用ハーブ類同様、サンスクリット語や古代エジプト語、ギリシャ語、ラテン語に記載されている属名はkorian-non「ナンキンムシ」を語源としており、コリアンダーの葉の異臭に因むとされています。
各種利用法
料理
葉は特に中東、東南アジアで食品の香味料として広く使用されています。種子はカレーやピクルス、焼き物料理などに加えられます。
ティー
種子はスパイシーでフルーティーなエキゾチック調の香りが特徴です。
香料
オイルはジンやシャトゥルーズなどのリキュールや香水などで珍重されている他、心をなだめて落ち着かせる作用があります。また最近の研究ではグルコース及びインスリンレベルを低下させ、膵臓機能をサポートするという効果があることが判明し、膵臓を強化する効果についても研究しているようです。
薬用
豊富な揮発性オイルを含む葉と種子は主に消化管系に働きかけ、食欲増進、鎮静、去痰作用があります。オイルは殺虫、抗菌作用を持ちます。
軽い消化機能不全に内服し、外用では内痔核、関節痛に有効です。また緩下剤を利用したときの腹痛を抑える際に利用されることがあります。
栽培
園芸用品種で耐寒性があります。日向の水はけの良い土地を好みます。涼しく湿度の高い春とそれに続く熱い乾燥した夏の気候が適しています。繁殖は春に種を蒔く事で増やすことが可能ですが、種ができる時期に乾燥が続くと徒長してしまうため気をつけましょう。
アニスと共に植えると発芽を促進し、アブラムシ、キャロットフライの予防になります。また混植することでハダニの被害を抑えるとされています。ただしフェンネルと一緒に植えてしまうと負けて種子が減るとされているので、植える際には注意しましょう。
葉は若いうちに収穫し、生で使用しましょう。種子は熟したら集め、そのまますり潰して料理に使うか、薬用で使う場合種子を粉末、成分抽出液、蒸留オイルで使用します。
あとがき
今回はコリアンダーについて解説をしました。
このハーブは比較的容易に育てることが出来て、うまく行けば種子を採ることも出来るので、是非育てるのに挑戦してみてはいかがでしょうか?
ちなみに私は葉っぱの香りは苦手ですが種子のスパイシーな香りは好きです。
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今回の記事はここまでとなります。また次回の記事でお会いしましょう。
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・ハーブの歴史 原書房 ゲイリー・アレン
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