今回解説するのは、バラ科の植物で生け垣や食用に利用されるサンザシ。英名ではホーソーンと呼ばれるハーブについて紹介をしていきます。
目次
Crataegus
落葉性の高木と低木が存在し、棘のある品種が大半を占めています。約280種類が存在し、ほぼすべての品種が北半球の温帯地域に分布しています。またサンザシ属は変化しやすく、そのため多くの俗名があり、およそ千を超える種名が存在するのです。
ここで簡単に紹介するのはC.monogynaha(クラタエグス・モノギナハ)は深い切れ込みと石のような種子が特徴で、また交雑品種も存在し、C.mediaと呼ばれています。
属名のCrataegusは硬い材質に由来し、ギリシア語のkratos「硬い」とagein「もつ」が合わさった単語です。
C.lavigata
英名:howthorn,may,quickset
主に来たヨーロッパで見ることが出来る落葉性の灌木または小木です。枝は密生し倒卵形の葉があり、香りの良い白い花を咲かせるのが特徴です。花後は暗赤褐色の実がなり、薬用で使われます。
英名にもそれぞれ由来があり、Mayは5月に開花することから、Quicksetは生け垣に使用されていることに因んでいます。
キリスト教以前の風習と深く関わりがあり、メイクイーンを選ぶメイイングという儀式が関係しています。
異教の時代、このメイのキングとクイーンに選ばれた人物はこの植物の成長の季節が終わると殺されてしまうという事があり、このことから現在のホーソーンが希望と死の両方のシンボルとなっています。また西洋では厄除けに用いられ、魔女や嵐を追い払うため、束ねた枝を屋外においていました。
各種利用法
利用部位:実
薬用
甘酸っぱい加温性のハーブです。末梢血行の促進、心拍、血糖値、冠動脈瘤の安定作用など、循環機能不全、あらゆる心臓疾患に内服されます。またこのハーブは他の心臓に作用する植物と違い比較的毒性が少ないというのも大きな特徴です。主にクイーンオブザナイト、シナノキ属、ヤドリギなどと合わせることが多いようです。
ヨーロッパでは中世の時代から心臓病の治療薬として利用され、動悸や息切れなど心臓を取り巻く様々な症状に活用されてきました。後の研究で心臓ポンプの働きを強くしたり、心臓に出入りする血流量を健やかに保つ効果があるということがわかってきました。
エネルギーとしての働き
脈打つかのように血液と融合されて心臓やすべての器官、心と心臓へバイタリティーと同時に平穏で優しい気持ちを与えてくれます。怒りや失意、攻撃的な感情が邪魔をして心が閉じているときに、再び愛情を感じられるような働きをもたらしてくれます。
栽培
園芸用の品種で耐寒性があります。日向、日陰、アルカリ性の土壌を含みどんな場所でも育ちますが、日当たりの良い場所では花や実がよくつきます。繁殖は種子を集めて18ヶ月層積法で保存した種を早春に蒔きます。しかし、栽培変種の種子は発芽しないため台木に接ぎ木で増やしましょう。手入れは夏の終りから初春にかけて剪定し、秋に紅葉する品種は冬に刈り込みます。
実は熟したら集め、生あるいは調理して使用します。またまるごと乾燥させたものを成分抽出液やチンキに加工する他、絞ったジュースをフリーズドライにしてもいいです。
あとがき
今回はホーソーンについて解説をしました。
昔からの知恵は現代の知識によって裏付けられて素晴らしい効果があるということが判明した一例で、今後もこのように科学的に証明されていくと嬉しいですね。
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今回の記事はここまでとなります。また次回の記事でお会いしましょう。
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