ハーブ一覧

ハーブ解説 Part201

今回解説するハーブは、香水として利用される一方で雑草として扱われているCyperusことハマスゲです。

Cyperus

読み方:キペルス

根茎のある草のような一年草と多年草600種が世界中に分布しており、鉢植えとして人気のあるC.involucratus(アンブレラグラス)、古代エジプトの紙の原料C.papyrus(カミガヤツリ)、C.esuculentus Var.sativus(チューファ、エディブルタイガーナッツ)などがあります。

Cyperus rotundus

細い鱗片の根茎と長さ60cm,幅1cmの細長い葉を持つ多年草で、夏に褐色の鞘に似た小さな花が咲き、三角の実がつくのが特徴です。世界中の湿地に分布しており、最も侵襲性のある雑草で、特にオーストラリア諸州では法規制の対象となっています。学名の由来はスゲを意味するギリシャ語に由来します。

各種利用法

実用

多くのカヤツリグサから発見された揮発性オイルと収斂性の成分は香水や消化剤に利用され、スイートレンゲルという品種はかつて方向強壮剤として使われていましたが、現在では香水として利用されるのみとなりました。またアドゥリューと呼ばれる品種の黒い根茎はラベンダーに似た香りがし、吐き気と消化不良に効果が期待できます。

薬用

苦甘い刺激性のハーブです。痙攣、痛みの緩和する作用があり、主として消化管系、子宮に効果があります。肝機能低下による機能不全や月経困難症に内服され、月経不順にはアンジェリカ、吐き気や嘔吐にはビャクジュツと合わせて使用されることが多いです。また、中国漢方やアーユルヴェーダに欠かせないハーブでもあります。

栽培

野生種で非耐寒性の植物で、最低気温は13℃です。日当たりの良い湿った土地を好み、繁殖には春に種を蒔くか、秋に株分けをします。根茎は秋に掘り上げて乾燥させたものを煎じ薬にします。

あとがき

今回はハマスゲについて解説をしました。

雑草扱いされたりするところもあれば漢方として重宝されることがあったりと同じ植物でも国によって使い方が全く違うことをしり、やはりハーブの世界は奥深く、本質的なものは同じで人間が勝手に判断基準を設けて決めてるだけなんだなと思いました。

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今回の記事はここまでとなります。また次回の記事でお会いしましょう。

参考文献リスト

・ハーブのすべてが分かる辞典 ナツメ社 ジャパンハーブソサエティー
・ハーブの歴史百科 原書房 キャロライン・ホームズ
・ハーブの歴史 原書房 ゲイリー・アレン
・ハーバリストのための薬用科学 フレグランス・ジャーナル社 アンドリュー・ペンゲリー
・ハーブティー辞典 池田書店 佐々木薫
・ハーブ大全 小学館 リチャードメイビー
・ハーブ大百科 デニ・バウン 誠文堂新光社
・エッセンシャルオイルデクレファレンス 第6版
・エドワード・バッチ著作集 BABジャパン エドワード・バッチ

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