今回解説するハーブは、ランの仲間で絶滅が危惧されているシプリペディウムです。
目次
Cipripedium var.Pubsens
読み方:シプレペディウム・ウァ・パブセンス
北米で見られる品種で2種類存在します。3〜4枚の卵型を帯びた長円形な葉をつける根茎性の多年草です。捻れた花弁と黄色い唇弁の付いた花が初夏に咲くのが特徴的です。野生の品種は数が少なく、薬用と称されるもののほとんどは偽物です。現在では貯蔵されているものが使われています。
学名の由来はギリシャ語で「ヴィーナス」を意味するKyprisと「スリッパ」を意味するPedironに因んでいます。
各種利用法
利用部位:根茎
薬用
苦甘い、刺激性のハーブです。バレリアンに似た不快な臭いがあり、鎮痙、神経の鎮静、強壮作用があります。不安、神経過敏、不眠、うつ、緊張性頭痛に内服されます。不安症にはエンバクと共に利用されることが多いです。
栽培
野生種で耐寒性があります。腐葉土が豊富で開けた土地を好み、繁殖には春に株分けで増やす事が可能です。専門家は研究室のような無菌の環境で種子から育成するようです。
ロックガーデンや林地の花壇に向くこの植物は生長が遅く管理が難しい。また園芸用や薬用に野生のアツモリソウを採取することは野生種の減少の大きな要因となっています。
根茎は秋に掘り上げ、乾燥させたものを成分抽出液、成分浸出液、粉末、チンキに加工します。
歴史
北米原住民の間では鎮痛剤として利用され、米国薬局方(1863~1916)にも記録されていた。現在のハーバリスト達は適当な代替物としてヴァージニアスカルキャップやラベンダーの使用を勧めている。
あとがき
今回はパブセンスというハーブについて解説をしました。
ランの仲間は乱獲が激しくて絶滅が危ぶまれ、今回紹介したハーブも近いうちに絶滅してしまうのではないかと心配です。
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今回の記事はここまでとなります。また次回の記事でお会いしましょう。
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・ハーブの歴史百科 原書房 キャロライン・ホームズ
・ハーブの歴史 原書房 ゲイリー・アレン
・ハーバリストのための薬用科学 フレグランス・ジャーナル社 アンドリュー・ペンゲリー
・ハーブティー辞典 池田書店 佐々木薫
・ハーブ大全 小学館 リチャードメイビー
・ハーブ大百科 デニ・バウン 誠文堂新光社
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