今回紹介するハーブは他の植物に寄生して成長するネナシカズラというハーブをご紹介。
目次
Cuscuta japonica
読み方:クスクタ・ヤポニカ
絡みつく一年草で耐寒性は-15℃まで耐えることが可能です。高さは1mほどで黄色い茎には赤い縞模様、または斑点があります。夏の終りに黄色い釣り鐘状の花がおびただしく付きます。
このハーブはどの植物にも寄生するというわけではなく、約100種の木に絡みつくという特性があります。ほかにも変わった点が存在し、植物なら本来必要であるはずの葉や茎が退化しており、宿主に完全に依存して成長します。栄養の吸収は吸根という独特の根を他の植物に差し込んで得るという奇抜な進化を遂げました。
各種利用法
利用部位:種子
薬用
苦い刺激性のハーブです。主に腎臓や肝臓を刺激し、下痢、勃起不全、頻尿、膣のおりもの、肝臓・腎臓機能低下による視力低下に内服されます。
栽培
野生種のみ存在します。適切な宿主でのみ生育が可能です。種子は熟したら宿主の幹に埋め込むことで繁殖が可能となります。種子は熟したら集め、乾燥させたものを煎じ薬にします。
歴史
数種が薬用となり、コモン・ドターという品種はかつてヨーロッパのハーバリストの間で憂鬱症、または脾臓、腎臓、肝臓役として人気がありました。またここで取り上げた品種が最初に記録されたのはAD1世紀頃の中国漢方処方書で、この本は紀元前1500年前までさかのぼります。
あとがき
今回はネナシカズラについて解説をしました。
以前は蛾に寄生するきのこトウチュウカソウを紹介しましたが、今回は植物に寄生して成長する、ある種羨ましいような生き方をしているハーブでした。
植物に限らず、自然はとてもバランスよく出来ていて、一見すると無茶苦茶に見える進化でもよく調べると合理的にできていることが多く、やはり自然は偉大で、人間がいかに小さな存在かを改めて思い知りました。
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今回の記事はここまでとなります。また次回の記事でお会いしましょう。
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・ハーブの歴史百科 原書房 キャロライン・ホームズ
・ハーブの歴史 原書房 ゲイリー・アレン
・ハーバリストのための薬用科学 フレグランス・ジャーナル社 アンドリュー・ペンゲリー
・ハーブティー辞典 池田書店 佐々木薫
・ハーブ大全 小学館 リチャードメイビー
・ハーブ大百科 デニ・バウン 誠文堂新光社
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