今回解説するのは園芸用として人気のあるハーブ、エニシダです。
目次
Cytisusu
北アフリカ、西アジア、ヨーロッパに生息し、常緑のまたは落葉性の灌木と小木が30種以上存在し荒れ地や林地に自生しています。
Cytisusu scoparin
緑の三角の細枝と小さい2cm程度の3つの葉がついている直立性の灌木です。夏には鮮やかで黄色いえんどうに似た花が咲き、後に長さ2.4~5cmの黒い鞘を付けます。
この品種は和名ではエニシダと呼ばれ、野生や栽培でお馴染みの植物です。園芸用のカタログに載っている品種は交配種で薬用には向かないです。
属名はギリシャ語のkytiosに由来し、様々な木本の豆を指す植物として昔用いられたことに因む。またこのハーブは初期のヨーロッパ本草書全てにPlanta genistaと記載され、イギリス王朝時代に実在したプランタジネット家に由来しています。
各種利用法
薬用
エニシダにはアルカロイドの一種スパルティンを含みんでおり、心臓や神経系統に作用するほかChondroderonと同じような働きがあります。苦味のある催眠性のハーブで、呼吸を抑制、心拍の調整、利尿、下剤作用があり重複しますが心臓疾患、特に心不全にはスズランと合わせて使用されることがあります。
栽培
園芸用の品種で耐寒性があり、日向の水はけの良い土壌を好みます。繁殖は春か秋に温室で種をまくか夏に半熟枝挿しで増やすことが可能ですが、種子から育てる場合は発芽率が低いことを覚えておくと良いでしょう。またエニシダの移植は難易度が高いほか、手入れは花が終わったら枝を2/3切り戻します。
収穫は枝先に花が咲き始めたら刈り取り、乾燥させて煎じ薬や成分抽出液、成分浸出液、チンキに加工します。在庫は年に一度取り替えましょう。
あとがき
今回はエニシダについて解説をしました。
エニシダは名前だけは知っていましたがまさか心臓に作用するとは知らず、やはり植物の世界は奥深く不思議に満ちており、学ぶたびに新しい発見があって本当に楽しく勉強しています。
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今回の記事はここまでとなります。また次回の記事でお会いしましょう。
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