今回は東南アジアに生息するセリ科の植物Dorema ammoniacumのについて解説をしていきます。
目次
Drema ammoniacum
読み方:ドレマ・アムモニアクム
大きな多年生の植物で耐寒性は-5℃まで耐えることが可能です。高さは2~3m、広がりが1~1.5mまで成長します。枝分かれし、毛の生えた茎は根元の部分が木質化し、直径が3~6cmになります。白い小さな花が春~夏にかけて散形花序に咲かせ、後に7mm程の楕円形の実がなります。また、ゴム樹脂を大量に含んでおり、甲虫の開けた穴から自然ににじみ出ます。
この属は、大きな葉を持つ短期の多年生植物と半低木からなり、全てが一年草です。主に東南アジアに生息し、インドからアフガニスタン、パキスタンにかけての乾燥した岩がちな場所に自生しています。ヴィクトリア朝時代の園芸手引書に記録が残っており、育てるのは容易で種子から簡単に増やせると記載されています。当時のハーブ園の興味を引く呼び物になっていたであろう植物であったはずですが、栽培リストから消えてしまったようです。不思議ですね。
属名はアモン神殿に因んでつけられ、リビア近くにあるこの植物からゴムの樹脂が抽出されたことに由来し、AD1世紀にヒポクラテスが使用を述べています。
各種利用法
利用部位:樹脂
薬用
香りの強い、アクのある刺激性のハーブです。去痰、鎮痙、発汗促進作用があります。慢性の気管支炎(特に高齢者)、喘息、カタルに内服します。外用では関節の腫れや無痛性の腫瘍に対して利用されることがあるようです。またかつては香水や磁器の接着剤としても用いられていました。
栽培
栽培品種で耐霜性があります。日向の水はけの良い乾燥した土地を好み、繁殖は春か秋に種を蒔く事で増やすことが可能です。
ゴムは花が咲き実がなるあいだに茎につけた傷と葉柄から採取します。固めて”ティア”(透き通った塊)かブロックにしたものを削って粉末にします。
あとがき
今回はドレマ・アムモニアクムという植物について解説をしました。
ゴムはゴムの木からしか採れないものだと思っていましたが意外な植物から採れることを知り、植物は本当に不思議なものだということを勉強するたびに新しいことがどんどん出てきて楽しいですね。
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今回の記事はここまでとなります。また次回の記事でお会いしましょう。
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