今回はクスノキの仲間であるDrybalanops aromaticaというハーブについて掘り下げていきます。
目次
Drybalanops aromatica
読み方:ディバラノプス アロマティカ
東南アジアの熱帯雨林に7種が存在し、マレーシアやスマトラ、ボルネオなどに分布しています。
ここで取り上げる品種は幅広の卵型の革質の葉を付け、樹皮が破片状にめくれるという特徴があります。3〜4年毎に夏に小さい白い花が咲き、実は3つに分かれています。樟脳は芳香性の物質で、幹のうろにでき、若い木からは樟脳オイルである黄色い液体が採取でき、これが古木では結晶体となります。
この品種は東洋医学で利用されてきた長い歴史があり、少なくとも6世紀から北スマトラ、ボルネオやジョホールから中東へ輸出されていたとマルコ・ポーロは記録している。防腐処理にも利用され、2000年後に有機物質がボルネオールの中に保存されているのが見つかっています。
属名は複数の単語を語源とし、ギリシャ語の「木」を意味するdrys、「ドングリ」という意味のbalanos、「外見」にあたるopisの3つの単語に由来しています。
各種利用法
薬用
苦く辛い刺激性のハーブで、鎮痛、解熱、鎮痙、消炎、抗菌作用があります。対応する症状は湿疹、熱性の痙攣、コレラ、肺炎に内服し、外用ではリューマチ、膿瘍、口辺ヘルペス、口内潰瘍、喉の痛み、胸壁の炎症、結膜炎に有効です。
アロマセラピーでは内用、外用共に殺菌、鎮静剤として使用し、副腎皮質の強壮や皮膚疾患に利用されます。
香水に樟脳の香りをつける時に使われる揮発性のオイルで、d-ボルネオールの原料となっています。また、木材には白蟻が付かないため建築剤としての評価が高いです。
栽培
栽培種で耐寒性があります。日向または半日陰の水はけの良い高湿度な土地を好みます。最低気温は15〜18℃を維持し、繁殖は種子が熟したら蒔きましょう。収穫は樟脳の結晶を幹の割れ目から採取し、オイルは若木に穴を開けるか木部を蒸留することで入手することができます。結晶、オイル共にカプセルや成分抽出液、ローション、錠剤、粉末、マッサージオイルに加工が可能です。
あとがき
今回はディバラノプスというクスノキ科の植物について解説をしました。
フレグランス剤などを作るとき、男性向けの物を作る時に役立ちそうだと感じ、いずれは使ってみたいオイルですね。
今まで100種以上紹介をしてきましたが、未だに私の知らないハーブが勉強する度に登場し、あまりの奥深さに驚きを隠せないと同時にまだまだ学ぶことができるという楽しさを感じました。
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今回の記事はここまでとなります。また次回の記事でお会いしましょう。
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