今回紹介するのは、南米に自生しているデュラキアという木とウリの仲間で実の中身が噴出するその名もテッポウウリの2種類を掘り下げていきたいと思います。
目次
Dulacia inopiflora
非耐寒性の木で高さ10~15m、広がり3~5mほどでヒビの入ったグレーの幹に長円のどちらかといえば皮のような濃い茶色の葉を付けます。小さな白い花の後にはオレンジイエローの実がなり、アマゾン流域の熱帯雨林に見られます。
13種類の熱帯性の木と低木からなる品種ですが、殆ど知られておらずアマゾン地域では古くから利用されているということくらいしかわかっていません。最近の研究で活性成分にアルカロイド類とステロイド類が含まれているという報告が上がっています。
各種利用法
利用部位:根、樹皮、バルサム、木部
薬用
スパイシーな加温、収斂性のハーブです。催淫、刺激作用があり勃起不全や下痢に内服し、主に腎臓に作用するとされています。
栽培
野生種で寒さに弱いです。日陰の湿った土壌を好み、最低気温は15~18度を維持します。しかし、この種類の栽培は行われていない模様です。根、樹皮、木部、バルサムを収穫し、成分抽出液に加工します。
Ecballium elaterium
地下茎を持つ草むら状になる多年草です。茎は太く毛で覆われ、葉はグレーグリーンで大きい卵型の三角形をしています。黄色い5つの花びらを持つ花が夏に咲き、雄花は総状花序に雌花は単性という形を取っています。グレーグリーンの毛で覆われた実は大きさ5cm程です。
匍匐性の多年草1種のみが地中海沿岸地域やアジアの非常に雨の少ない不毛な土地に分布しており、花壇やコンテナで珍重されています。
熟すと中身の汁と一緒に勢いよく種を飛ばすことからテッポウウリと名前がつけられ、その飛距離は約2m以上と言われています。たった5cmの実が自身の力で40倍近くの距離を稼ぐという非常にユニークな特徴を持つ植物です。
各種利用法
利用部位:実
薬用
下剤効果のあるハーブで、内臓の脱水を引き起こします。対応する症例は腎機能不全による浮腫、リューマチ、麻痺、帯状疱疹に内服するほか、外用では副鼻腔炎や関節痛に有効とされています。
果実は食べると有毒なことに加えて勢いよく噴射する汁が目に入ることがあり危険です。さらに種子や実を繰り返し扱うと中毒症状が起きることがあるので、扱いには十分に気をつけましょう。
栽培
栽培品種で寒さにはそこそこ強いです。日向の水はけの良い痩せた土地を好み、繁殖する場合は気温が16度になったときに種を蒔くのがベストです。実は未熟なうちに収穫し、容器に入れて中身が噴出するまで放置します。噴出したジュースを乾燥させたものが峻下剤となります。
テッポウウリは古代から薬用に利用されていました。古代ギリシャの植物学の祖、テオフラストスはヒツジの乾癬に実のエキスが催吐剤に良いと述べており、これはこの植物がククルビタシンを含んでいることに由来しているとされています。
あとがき
今回はデゥラキアとテッポウウリの2種類について解説をしました。
デゥラキアは和名だとボロボロノキ属というなんとも変わった名前で、テッポウウリは子孫繁栄のために独自の進化を遂げており、デゥラキアにいたっては最近発見されたせいか殆どわからないことが多く、これから色々と判明すればいいなと思いました。
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今回の記事はここまでとなります。また次回の記事でお会いしましょう。
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