今回解説するのは、アーユルヴェーダや中国医療には欠かせないFalse dayという植物でで、日本語名だと「タカサブロウ」というもはや人の名前なハーブについて掘り下げていきます。
目次
Eclipta prostrata
読み方:エクリプタ・プロストゥラタ
元々はアメリカの温帯地域や熱帯の湿ったぬかるみのある地域が原産で、この種を含み4種ほど存在します。
タカサブロウはアジアの多くの地域で雑草として扱われている長さ25cm程の一年草で、見た目は長さ25cmほどで、葉は披針形かつ鋸歯状。夏に小さなデイジーに似た花を咲かせ、小さな葉がたくさんついた実を結びます。
こんな雑草扱いされていますが侮るなかれ、最初に書いたようにインドの伝統医療や中国医療では大活躍するハーブで、アーユルヴェーダでは頭髪によく効くとされ、現地の言葉では「bhiringgraja」と呼ばれており、『髪を支配するもの』という意味です。さらに回春剤や肝臓の強壮剤として利用されているほか、中国漢方では肝臓や腎臓に良い総合強壮薬として用いられているほか、民間薬としても親しまれています。
この植物からはチオフェン誘導体という物質が採れ、線虫の駆虫薬の原材料として利用されています。
各種利用法
利用部位:全体 中国漢方での呼び名:早蓮草(かんれんそう)
薬用
苦く酸味のある冷却性のハーブで、循環器系や神経系に作用する他、消化器系の強壮、止血作用があります。冷却性のハーブで対応する症例は腎臓や肝臓機能の低下による症状(耳鳴り、若白髪、歯の衰え、神経機能障害など)、口辺病、肝炎、出血を伴う疾患(特に産後の出血と血尿など)、貧血、ジフテリアに内服できます。
中国の民間薬では湿疹、水虫、皮膚炎、小児の栄養不良に使われています。またアーユルヴェーダでの使われ方は、内用及び外用にオイルを育毛に用います。他にもインドやビルマではセンナをオイルに加えたものを白癬の外用薬に利用しているようです。
実用
髪染めや入れ墨に使用する黒い染料の元となります。
栽培
栽培品種です。日陰の湿ったまたは濡れている土壌を好み、最低気温は10~15℃を維持します。繁殖は春に種をまけばOKです。収穫は花が咲いたら全体を刈り取り、乾燥させたものを煎じ薬、成分抽出液、薬用オイル、粉末、チンキにします。
あとがき
今回はタカサブロウについて解説をしました。
一般的には雑草として扱われている一方薬として重宝されているという、人の価値観によって疎まれたりありがたく感じるというなんとも不思議な植物でした。
元々アメリカ育ちなのに和名がタカサブロウという日系アメリカ人の名前か、実際に人の名前であっても全く違和感がないという日本人ならクスッと来るであろうハーブでした。
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今回の記事はここまでとなります。また次回の記事でお会いしましょう。
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