今回はアルカロイドを含んでいるマオウと、ロックガーデンでよく使われているグレイベルの2種類を解説していきたいと思います。
目次
Epihdra distachya
直立性の不規則な茎が広がった小ぶりの灌木です。鱗状に変形した小さな葉が節に付くというユニークな姿が特徴です。初夏に穀類に似た雄花と単生の雌花が咲き、多汁質の赤い実がなります。
小低木のものや蔓性のものもあり、この種を含む40種が南ヨーロッパや北アフリカ、アジア、亜熱帯に分布し、この品種は南欧と東欧で見られます。科学者達はこの植物が進化の過程を辿る鍵になると考えられ、注目が集まっています。
各種利用法
薬用
マオウ類は先程も書きましたがアルカロイド類、特にエフェンドリンを含んでおり、カタルと喘息の特許製剤の成分となっています。この品種以外に利用されているのは、
Ephidra equisetinaとEphidra inter-mediaの2種類です。
苦辛い加温性のハーブで気管支の拡張、心臓と中枢神経の刺激、発汗促進、利尿作用があります。対応する症状は喘息、花粉症、アレルギー疾患に内服します。
品種毎の薬効の特色
インド産
・Ephidra geradiana(エピドゥラ・ガーディアナ)
・Ephidra sinica(エピドゥラ・シニカ)
こちらはEpihdra distachyaよりも強力なアルカロイドを含んでいます。
アメリカ産
・Ephidra trifur-ca(エピドゥラ・トゥリフル-ヵ)
モルモンまたはブリガム・ティー と呼ばれ、喘息に対する薬効よりも利尿作用の方が強いです。
アラビア産・エチオピア産
・Catha edulis(クハト・カト)
この品種からはエフェンドリンと同様の興奮成分であるカサインとノルースドエフェンドリンが発見され、老人病の薬として利用されている。
モノアミン酸化酵素(MOA)抑制剤を服用している患者、高血圧、緑内障、甲状腺機能亢進症の人への使用は禁忌です。国によっては法規制の対象となります。
栽培
栽培種で耐寒性があります。日向の水はけの良い乾燥した土地を好みます。繁殖は秋に種をまくか、秋または春に株分けをすることで増やすことができます。
数種は主に乾燥した地域のグラウンドカバーとして栽培されていますが、結実させたい場合は雄株と雌株を一緒に植えましょう。
Epigarea repens
読み方:エピガエア レペンス
長さ8cmになる皮質の艶がある葉を付ける匍匐性の常緑灌木です。春に刺激的な香りのする白やピンクの花が房なりに咲き、後で種子が入っている球状のさく果実ります。
北米住民はこの葉をお茶にして腎機能不全と血液浄化の薬としていました。シェイカー教徒がこれを“グレイベル(腎臓結石)”に使用していたのでグレイベルプラントという名前が付きました。
薬用
収斂、利尿作用のあるハーブで、膀胱炎、腎臓結石、腎臓、尿路感染に内服します。
栽培
園芸用品種で耐寒性があります。日陰で湿った酸性の腐植土を多く含んでいる土を好みます。繁殖は秋に種をまくか株分け、夏に挿し木で増やすことができます。夏に全体を刈り取り、乾燥させたものを成分抽出液、チンキに加工します。
あとがき
今回はマオウとグレイベルの2種類について解説をしました。
アルカロイドを豊富に含んでいる為、扱いを間違えると毒になってしまい危険な植物でもあるので気をつけましょう。マオウと聞いてRPGのラスボスを思い出したのは私だけでいいです。
グレイベルは初耳のハーブでしたが、昔は腎臓結石に使われていてそのまま植物の名前になっていたことから、この植物の薬効が信頼されていたことが伺えますね。
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今回の記事はここまでとなります。また次回の記事でお会いしましょう。
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