今回はコリアンダーに似た風味ですがより強い香りを持つ下さいエリンギウムというハーブについて解説していきたいと思います。
目次
Eryingium fotidumu
読み方:エリンギウム・フォティドウム 英:Cuantro
細身の枝分かれした枝を持つ常緑の多年草です。25cm程の縁に棘のある皮針形の葉とヒゲ根があるのが特徴です。夏にはほう葉のついた緑白色の花が咲きます。
主に温帯や亜熱帯などの地域生息し、この品種を含み約230種程存在しており、特に南米を中心に多く分布しています。この品種は西インド諸島や中央アメリカ、フロリダなどの乾季のある草地に多く自生しています。
各種利用法
利用部位:葉・根
料理
ラテンアメリカの料理に欠かせないハーブですが、徐々に東南アジアなどでもスープやカレー、お米、魚料理に使われるようになりました。香りはコリアンダーに似ていますが、こちらのほうが香りが強いです。
薬用
刺激、芳香性のハーブで、鎮痙、消化管機能保持作用があり、カリブなどでは万能薬とされ、特に癇癪、高血圧、発汗、小児のひきつけや悪寒に内服されます。
Eryingium maritimum
読み方:エリンギウム・マリチ厶ム
この品種は別名シーホリーと呼ばれており、ヨーロッパや北アフリカ、南西アジアの海岸などの砂地や河原などで見ることができます。
きれいなシルエットの葉と花期の長いドライフラワー向けの花栽培されることが多いです。金属に似た外見を持つ品種は黄緑色やブロンズ色の葉との相性が良く、美しいコントラストを見せてくれるかもしれません。
各種利用法
利用部位:全草
料理
かつては砂糖漬けにしてゼリーやタフィーの香味料として使用されていました。
薬用
尿路感染症に有効で特に膀胱炎に効果があるとされていました。他には多尿、前立腺障害、腎臓疼痛に内服します。
栽培
栽培品種(E.fotidum)と園芸用品種(E.maritium)で前者は寒さに弱く、後者は寒さに耐性があります。栽培種は日向か半日陰の密な土壌を好み、園芸種は日向の水はけの良い砂質か石混じりの土地を好みます。繁殖は春の終わりに種をまくか、冬の終わりに挿し根をすることで増やすことが可能です。また園芸品種の場合は秋に種子を撒くのがベストですが、4ヶ月間、層積法で保存した種を春に撒くのもオススメです。
歴史
E.maritiumの根は17〜18世紀の間、大量に採取し砂糖漬けにされていました。これは元気を回復したり、準催淫効果があるとされている“エソンゴーズ”という飴として知られていました。イギリス東部のクロチェスターは“オイスターとエリンゴルート”で有名であると古文書にも記録が残っています。
そのほかの品種
E.aquaticum(バトン・スネイクルート)
E.yuccifolium(ラトルスネイクルート)
北米原産の品種で主に腎臓や生殖器の機能不全に利用されます。
E.campestre(フィールドエリンゴ)
シーホリーの代替となり尿路感染症や皮膚疾患、百日咳に使用されます。
E.planum
トランシルバニア地方では百日咳の症状に用いられます。
あとがき
今回はエリンギウムについて掘り下げてみました。
この植物を初めて知った時は、コリアンダーに似ているということでエスニック料理などに利用することができそうだなと思いました。また、ドライフラワーに向いている品種もあるということでハーブクラフトでは色々と活用できそうだと思いました。
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今回の記事はここまでとなります。また次回の記事でお会いしましょう。
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