今回は学名をEapatorium、ヒヨドリソウと呼ばれるハーブを4種類ほど解説していきます。
目次
Eapatorium
耐寒性と半耐寒性の灌木と多年草が約38種存在し、主にユーラシア大陸とアメリカ東部に分布しています。ここでは代表的な3種類を掘り下げていきます。
Eapatorium Perfoliatum
直立した茎と長さ20cmの披針形な貫生葉を持つ耐寒性多年草です。夏の終りに白く紫がかった花が大きな散房花序に咲きます。耐寒性は-15℃まで耐えられ、裂開した縁のギザギザな葉が対についているのが特徴です。
利用部位:全草
薬用
苦い収斂性のハーブで、免疫機構の刺激、下剤作用が会います。対応できる症状はインフルエンザ、風邪、急性の気管支炎、カタル、皮膚疾患に内服をします。
ブレンドの一例
インフルエンザにはヤロー、エルダー、バタフライウィード、ジンジャー、トウガラシと合わせるのがオススメです。
Eapatorium purpureum
直立性の茎を持つ背の高い耐寒性の多年草で、葉は細かい鋸歯状の卵型です。輪生し、揉むとバニラに似た香りがするのが特徴です。夏の終りから秋にかけてピンク色の花が密生した散形花序に咲くのが特徴です。この品種はアメリカ東部で見ることができます。
利用部位:根茎、根
薬用
僅かに苦味のある回復、浄化性のハーブです。特に泌尿生殖器系に作用し、結石や膀胱炎、尿道炎などの尿路疾患、月経痛、流産癖、難産などに内服が可能です。また前立腺炎の疾患にはオドリコソウと合わせて使用することがあるようです。
Eupatorium fortunei
韓国や中国、日本の川岸に自生しており、中国では気管支炎、赤痢、風邪、ジフテリア、リューマチ性疾患に利用されています。
利用部位:全草
薬用
強壮性のハーヴで上記の症状などの他に、消化管系や脾臓に作用し、中国漢方では冷却性と乾燥性を併せ持っていると言われています。消化不良や吐き気、下痢、熱射病、発熱性の夏風邪などに内服します。過剰摂取は胃炎を引き起こすことがあるので注意しましょう。
Eopatorium cannabium
直立性の柔らかな茎の芳香性多年草です。草は対生で3~5対に分かれています。真夏にくすんだピンク色の花が散房花序に咲くのが特徴です。サローワートやヘンプアグリモニーと呼ばれ、長い雄しんのある花を咲かせます。湿気のある庭園の観賞用に向いており、八重咲きのものなどが存在します。
利用部位:全草
薬用
苦味と甘味、仄かに芳香のあるハーブです。利尿、強壮、免疫機能の刺激、腫瘍の成長抑制作用があります。しかし、ピロリジンアルカロイドをふくんでおり、肝臓を痛め、ガンを発生させることがあります。
対応する症状は関節炎、リューマチ、発熱性の風邪、インフルエンザに内服します。外用では潰瘍やただれに使用できるほか、動物用の虫よけ、ホメオパシーではインフルエンザにチンキ剤を用います。また、胆汁性・便秘性の活力減退には他のハーブと合わせて外用薬として利用します。
栽培
園芸品種や栽培品種があり、どちらも耐寒性があります。日向または半日陰の湿った土壌を好みます。繁殖には休眠期に株分けをするか、春に種を蒔く事で増やすことが可能です。収穫は花が終わった秋に、茎を根本から刈り取ります。また、蕾ができたら全体を切り、乾燥させたものを成分抽出液やチンキに加工します。根茎は秋に掘り上げたものを加工しましょう。
あとがき
今回はヒヨドリソウと呼ばれるハーブを解説しました。
一つの品種をとってもこれだけ薬効が違うので、本当に植物の世界は奥深いと思いました。やはり漢方などでも使われ、それだけ強力なものもあるので、扱うには十分に気をつけたいですね。
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今回の記事はここまでとなります。また次回の記事でお会いしましょう。
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