今回はspindle treeと呼ばれるハーブを解説していきたいと思います。
目次
Euonymus aturopurples
落葉性の大きな灌木状の木で、ちょう長円形な卵型の葉は約12cm程で、秋には黄色に染まります。夏には小さな紫色の花が咲き、赤い種子のある紫色のさく果が実ります。この品種は北米の中央部や東部、西アジアの林地に自生しています。この種のような落葉性の品種は秋に鮮やかな紅葉を見せるのが特徴です。
数種類が北米先住民によって利用され、最も重要視されていたのがこの品種で、子宮機能不全から目の痛みまで広範囲の症状に用いられ、19世紀になってから使い方は入植者達に受け継がれました。また、最近の研究ではフォックスグローブに似た効果があるという調査報告により、心臓の薬として人気が出てきました。
利用部位:樹皮、茎、根
薬用
アクのある苦味のあるハーブで、胆嚢、循環器系の刺激、利尿、下剤作用に加えて穏やかな心臓強壮作用があり、肝臓、胆嚢機能不全による皮膚の発疹に内服します。
ブレンドの一例
肝臓・胆嚢機能不全には、バーベリーやダンデライオンと合わせることが多いようです。
Euonymus europaeus
読み方:エウオニムス・エウロパエウス
滑らかな灰色の樹皮と落葉性の低木または灌木で、卵型の葉は3~13cm程で、秋には紅葉するのが特徴です。花は葉腋から次々と咲き、4室の鮮やかなピンク色のさく果が実ります。この品種を含む177種が北米やユーラシア大陸やオーストラリアに分布しているようです。
利用部位:樹皮・根皮
薬用
苦い収斂性のハーブで、胆嚢や循環器系の刺激作用があり、催吐、胆汁分泌作用があり、肝臓や胆嚢機能不全による皮膚の発疹に内服します。
栽培
耐寒性があり、日向や半日陰の水はけの良い土地を好みます。繁殖は種子が熟したらまくか、夏に半熟枝挿しで増やすことが可能です。種子は層積法での保存が必要となり、この方法で保管した種子は2年間の間は発芽するようです。E.europaeusにはアブラムシが付くことがあり、ブラックビーンアブラムシの宿主となります。樹皮は秋に集め、乾燥させたものを煎じ薬、錠剤、チンキに加工します。
すべての部位は有毒で、特に実と種子は有害なので食べてはいけません。
あとがき
今回はエウロニムスというハーブについて掘り下げてみました。
アメリカでは北米先住民達が代々ハーブの知識を受け継ぎ、現代の科学によって薬効が証明されつつある現在、今こそ歴史を紐解いて調べてみることが私達現代人の病気や不調を治す鍵となるような気がしました。
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今回の記事はここまでとなります。また次回の記事でお会いしましょう。
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・ハーブの歴史百科 原書房 キャロライン・ホームズ
・ハーブの歴史 原書房 ゲイリー・アレン
・ハーバリストのための薬用科学 フレグランス・ジャーナル社 アンドリュー・ペンゲリー
・ハーブティー辞典 池田書店 佐々木薫
・ハーブ大全 小学館 リチャードメイビー
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