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ハーブ過去記事まとめ Part84

ご挨拶

皆さんこんにちは。今回解説するのは香料として利用されているスズラン。

有毒植物という一面もありますが使い方に気をつければ薬にもなる植物。でも素人が使うと間違いなく死に至るまでは行かなくても健康に異常をきたすので園芸として楽しむのがいいかもしれません。

そんなちょっぴり危険で美しいスズランの生態について解説をしていきます。

Convallaria

根茎性の多年草3種が北半球の温帯に分布しており、学名は自然の生息地を指すラテン語のconavaris(谷間)と花の咲く時期5月を意味するma-jalisに由来します。

Convallaria majalis

読み方:コンヴァラリア・マヤリス 英名:llily of the valley,May lily

匍匐性の多年草で、卵型ないし長円形な一対の葉を付けます。春の終わりに5~13個の白い鐘形の香り良い光沢がある花を総状に咲かせます。その後赤い実を結びます。

続いてスズランの利用法についてご紹介。

各種利用法

利用部位:全体、草、花、オイル

薬用

苦い利尿性のハーブです。心臓と心臓血管系統の強壮作用があり、心不全、扁桃腺炎による動脈硬化、動脈性の低血圧に内服されます。有毒なため有資格者のみ扱いましょう。

実用

揮発性のオイル、ファルネソールを含んでいるため香水や嗅ぎ薬として利用されています。

栽培

園芸品種で耐寒性があります。半日陰の湿った土壌を好みます。繁殖は春に種を蒔くか、秋に花が咲き終わったら株分けで増やすことができます。収穫は葉か花を春に摘み取り、生か乾燥させたものをチンキ剤に加工します。乾燥させることによりグリコシドが減少します。花は春に摘み取り、揮発性のオイルを抽出します。

根茎はコウモリ蛾の幼虫が食害する他、湿度の高い環境だとボツリヌス菌が付着することがあります。

歴史

ヴィクトリア朝時代、促成栽培したスズランが冬の装飾品として人気を博し、”ベルリン・クイーン”の名でドイツから大量に輸入されました。

スズランが薬用として記載されたのはAD2世紀頃のアプレイウスの著書です。現在では広範囲に至る成分と効能が研究で明らかとなり、重要性が増しました。

スズランはフォクスグローブに似た作用がありますが、蓄積しにくいため、高齢の老人にも使用できるため安全性が高いです。

その他の品種群

Convallaria majalis “hardwick hall”

葉に金色の縞が入った品種。日陰で栽培すると縞が消えてしまう傾向があるので気をつけましょう。

Convallaria majalis “Albostriata”

この品種はとても幅の広い葉の縁に金色のまだら模様が入り、それが時々葉の裏側に回って帯のような模様になることがあります。

参考文献リスト

・ハーブのすべてが分かる辞典 ナツメ社 ジャパンハーブソサエティー
・ハーブの歴史百科 原書房 キャロライン・ホームズ
・ハーブの歴史 原書房 ゲイリー・アレン
・ハーバリストのための薬用科学 フレグランス・ジャーナル社 アンドリュー・ペンゲリー
・ハーブティー辞典 池田書店 佐々木薫
・ハーブ大全 小学館 リチャードメイビー
・ハーブ大百科 デニ・バウン 誠文堂新光社
・エッセンシャルオイルデクレファレンス 第6版
・エドワード・バッチ著作集 BABジャパン エドワード・バッチ

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