今回はスパイスとしてよく使われるスターアニスという植物について掘り下げます。
スターアニスとは?
香り良い植物で料理では香り付けに使うことのできるハーブ。
意外にも薬効があり、中国の古い時代からその効果は証明されていた。
スターアニスの生態
シキミ属モクレン科の植物で葉が常に緑色の常緑樹。
低木、小木からなる約40種が東南アジアや西インド諸島に分布しています。
ここで紹介するIllicium verum(スターアニス)は皮のような葉はアニスシードの香りが。
Illicium verum
高さ18m、広がり7~12m。先の尖った長円の葉は長さ15cm。
夏に直径1cmのマグノリアに似た花を幹から直接咲かせ、色は薄黄色で芯はピンクから赤色に染まる。
8つに別れた木質の実がなり各部分一つずつに種子が入っています。
スターアニスの利用法
利用部位:実
スターアニス
料理での使い方
豚肉や鴨肉のチャーシューはもちろん、台湾のお茶にスターアニスを加えて漬け込んだ煮玉子「茶葉蛋(チャーイェタン)」に欠かせない。
他にも五香粉(ウーシャンフェン)の一つで中国料理によく使われます。杏仁豆腐の香り付けにも。
カレーやピクルスの香味料に使うことができます。
スターアニスを使ったティー
風味が強いため少量ずつ砕いて使うのがポイントで、紅茶に一片加えるとエキゾチックな香りを追加することができる。
ベトナムではミルクティーに加えることでスパイシーさをプラスして飲み、さらに冷えを予防することが可能。
スターアニスの
使いみち
コーヒーの香味料や菓子の香味料、精油はリキュール、ソフトドリンク、パン類の香味料に使われる。
スターアニスの薬効
主な作用は体を温めて消化機能を保持、鎮痛、抗真菌、細菌作用がある。ほかにも
・健胃
・駆風
・興奮
・女性ホルモン様
などの作用があります。
なので生理痛を和らげて生理のサイクルを順調にしたり、女性特有の症状を和らげる効果が期待できる。
他にも以下の効能が挙げられます。
・腹痛
・冷えによる諸症状
・消化管機能不全
さらに胃腸薬や咳止めにアニスの香り付けに利用されるほか食後の消化と口臭予防に噛む習慣があります。
アニスの
栽培方法と収穫
霜に強い。半日陰で水はけの良いアルカリ性の土壌を好みます。
繁殖は夏に半熟枝刺しを行うことで増やすことが可能です。
しかし熱帯原産なため栽培されていない模様。
スターアニスの
歴史
人類の歴史に登場したのは中国、明の時代で李時珍(りじちん)の『本草綱目』に記されている。
その本には“芳香性とともに健胃、駆風、鎮痛作用があり、腹部膨満、嘔吐の症状に効果がある”と記されています。
現在の漢方でも腰痛に用いる「思仙散」に配合されているのです。
場所は変わってヨーロッパには16世紀末に英国の船乗りによってもたらされました。
アニスに似た香りと星型の実から「スターアニス」と呼ばれ、17世紀の英国で人気を博しました。
アニスの代用品としてお茶や砂糖菓子に使われたのです。
日本では仏教とともに伝わり、ダイウイキョウという名でお線香や焼香の原料に用いられています。
まとめ
スターアニスは熱帯原産の植物で香りの良い植物ですがシキミと間違えないように。
料理では香り付けとして様々な使い方ができる。
薬効は体を温める作用に加えて女性ホルモンに似た作用があるため女性特有の症状の緩和、消化を助ける作用もある。
歴史は明の時代から現在と同じような使い方がされていたとされ、日本では仏教とともに伝わった。
それでは今回はここまでとなります。
また次回の記事でお会いしましょう。