今回はファンタジーのエンブレムなどでモチーフにされることの多いアイリスの薬効や歴史について掘り下げていきます。
アイリスとは?
イリス属アヤメ科の丈夫な根茎を持つ多年生植物。
この花がフランス王権とゆり型の紋章「フルール・ド・リス」の起源。
内側にある3枚の花びら、「内花被」がそれぞれ“誠実”、“知恵”、“勇気”を表す。
Iris germanica var.floentiaという品種は地中海沿岸部、Iris versicolorは北米原産でほとんどの品種が栽培されています。
揮発性オイルの成分イロンはスミレに似た香りがし、乾燥させた根茎が古ければ古いほど香りが強い。
ちなみに乾燥したイリスの根はオーラスという。
目次
Iris germanica var.floentia
英:Orris
葉の長さは太さ5cmの根茎を持つ丈夫な多年草。葉は長さ45cmで細長い剣の形。
初夏に紫色の筋の入った白い花が枝分かれした茎につく。
Iris germanica var.floentia
の利用法
利用部位:根茎
Iris germanica var.floentia
実用的な使いみち
意外にも歯科用品に使われるほか、口臭消しや散布剤に利用される。
主な使われ方は香水の定着剤やポットポプリ。
Iris germanica var.floentia
どんな薬効があるか?
芳香性のあるハーブで作用は以下の通り。
・鎮静
・利尿
・去痰
・下剤
・下痢止め
効能としては咳やカタル、下痢に内服できます。外用薬として深い傷に有効。
Iris vesiclor
英:blueflag,wild iris
温暖地域に生育する多年草。地下茎は枝分かれして匍匐する。
剣先の葉は長さ1mで初夏に紫色で黄色い筋の入った花が4~6個まとまって咲く。
ブルーフラッグの利用法
利用部位:根茎
ブルーフラッグの
薬効
変質性のハーブでわずかに香りがあって作用は以下の通り
・肝臓、胆嚢の刺激
・唾液分泌促進
・消炎
・発汗
・利尿
・緩下
効能としては
・乾癬
・にきび
・偏頭痛
・関節炎
・子宮筋腫
・敗血症
・骨盤腹膜炎 に内服することができます。
外用薬としては
・皮膚疾患
・リューマチ
・可能した傷 などに利用可能。
アイリスの
栽培方法と収穫
Iris germanica var.floentiaは寒さに強く、中性からアルカリ性の土地を好む。
Iris vesiclorは日当たりの良い湿った酸性の土壌か浅い水中が好き。
繁殖は夏の終りに株分けをするか小球を分けるか秋に種を蒔く。
収穫は夏の終りから秋の初めにかけて掘り上げ、乾燥させたものを煎じ薬や成分抽出液、粉末にする。
イリス類はすべて有毒で特に根茎は食べちゃダメ。皮膚につくとかぶれてアレルギーを引き起こすので取り扱いは慎重に。
アイリスの歴史
古代エジプト、ギリシャ、ローマ時代から使われた記録があり、現在でも香水の定着剤として重要な位置を占める。
はじめはダルメシアンアイリスという品種がオーラスの原料として栽培されていた。
北米先住民のクリーク族が薬用として用いており、村の近くで栽培することからいかに重要視されていたのかが伺える。
当時ブルーフラッグは米国薬局方で催吐剤や下剤として使われていましたが現在はもっと薬効範囲が広いです。
まとめ
・根茎はスミレの香り
・食べると有毒だが薬用に優れる
それでは今回はここまでとなります。
また次回の記事でお会いしましょう。