今回は麻薬の材料として使われているため、あまりいいイメージのないコカ。ですが人類史に大きな影響を与えました。
コカ
局所麻酔にしてあの有名な
清涼飲料水の生みの親
南米最古の栽培植物でもあるコカ。
古代ペルーでは少なくともAD500年。つまり有史以前から利用されていました。
ナスカ文化の時代に見つかった墓所から見つかったミイラの副葬品にコカの葉を詰めた小さな袋が見つかりました。
コカの葉の利用
インカ族は日々の労働の間に興奮剤としてコカの葉を噛んでいた習慣がありました。当時は通貨ではなく物々交換だったためコカの葉は非常に貴重なものだった。
その後時代は飛んで1565年。このコカについて詳しく解説した最初の科学者はニコラス・モナルデスという人物。
それから約300年後。1860年にはコカインの葉からコカインが単離抽出され、その24年後の1884年に白内障手術で初めて局所麻酔薬として使われました。
19世紀に入ると大きく需要が高まりコカの葉で作られた製品が社会的に人気となり、広く多方面に使われるようになりました。
そしてコカワインなるものが流行し、アメリカで禁酒法が実施。ノンアルコールの類似品がたくさんで出回りました。
1886年にジョン・ペパートンという人物が開発した「知的ノンアルコール飲料」。現在のコカコーラの原型です。
しかし1902年にコカインの販売が中止して以降、コカイン抜きのコカ・コーラしか使えなくなってしまいました。
現在手術で使われるコカインはプロカインという合成薬に取って代わられる様になりました。
麻薬取引として利用されている危ない植物ですが悲しいかな需要が多いという事実。
それでは今回はここまでとなります。
また次回の記事でお会いしましょう。