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ハーブ解説 Part304

今回解説するのはアキノノゲシと呼ばれるアキノノゲシ属のハーブです。

アキノノゲシとは?

棘レタスとも呼ばれるハーブで主に北半球の温帯地域に分布しています。残念ながら観賞用としても料理用としても人気がないマイナーな植物。

取り上げる品種はLactuca serriolaです。

Lactuca serriola
概要

棘だらけの茎に長さ30cmのとげとげした青みがかった灰白色の葉が特徴。

独特な臭気を放つ多年草で夏にたんぽぽを小さくしたような花を咲かせます。

学名の由来
ラテン語でミルクを表す「lac」にちなみ、18世紀に実在した「レタスアヘン」の原料になった乳液が語源です。

Lactuca serriola
薬効

この植物から抽出されたものは痙攣や気管支を拡張する作用があり、血管を緩める作用があり、伝統医学の一つユナニ医学では呼吸器系や消化器に対して使われていました。

主な成分は
・シュウ酸
・セスキテルペンエステル
・トリペルノイドサポニン など

うさぎの組織を用いた臨床実験では胃腸、呼吸器、血管にこのハーブのメタノール抽出物を投与した結果、一定量投与すると痙攣し始めるが高濃度だと弛緩する反応が見られました。

このことからLactuca serriolaは呼吸器系や消化器系に対して有効な植物であると言えます。

さらに以下の症状に対しても効果が期待できます。
・不眠
・不安
・神経症
・気管支炎
・小児の活動過多
・リューマチの痛み

加えてこのハーブが持つラテックスには催眠性の成分が含まれ、これを乾燥させたものが“ラクトカリウム”と呼ばれる。

Lactuca serriolaの
歴史

18世紀にはラクトカリウムがオーピウムという鎮静剤の混ぜものとして使われており、おんじような効果でありながら依存性がないため“レタス・オーピウム”と呼称されていました。

現在のラクトカリウムの主原料はLactuca virosaとLactuca canadensisの2種類で、度重なる交配の結果、現在食べられているレタスのラクトカリウムは減少していきました。

Lactuca serriola
栽培のポイント

・耐寒性で日向の水はけの良い土壌を好む
・繁殖は秋、同じところに種を蒔く

収穫

夏に開花したら全体を刈り取り、葉と茎からラテックスを抽出。乾燥させてラクトカリウムとして利用するか成分抽出液、錠剤、チンキに加工。

まとめ

ワイルドレタスとも呼ばれユナニ医学では呼吸器系や消化器系の薬として利用され、茎や葉の断面から取れるラテックスに薬効がある。

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Kemu
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