今回解説するのは伝説上の生き物、ユニコーンの名前を冠したハーブである“ユニコーンルート”です。
Chamaelirium luteum
読み方:カマエリリウム・ルテウム 俗名:フォールス・ユニコーンルート
ユリ科の根茎性多年草で、属はこの一種のみとなっています。
高さは30~90cm、大きさ15~38cm、長さ20cm程で卵型からスプーン型の葉をロゼッタ状に付けるのが特徴です。
雄株と雌株が存在し、後者のほうが葉が多く、主に北米東部の湿った林や湿地帯に見られます。
花の咲く枝は直立し、より細い披針形の葉を持ち、白い星型の花が密生して筒状の総状花序となって咲きます。
日が立つと白から黄色に変色します。
各種利用法
利用部位:根茎・根
薬用
苦味のある収斂性のあるハーブです。
具体的には
・月経
・更年期障害
・不妊症
・骨盤内膜炎
・子宮内膜症
・切迫流産
・朝の吐きけ
などに内服します。
他にも胃腸、泌尿器系の機能不全に対する強壮剤や腸内寄生虫の駆除剤の原料になる。
栽培
野生種で-15℃まで耐えられるという驚きの耐寒性を誇ります。
半日陰で水はけが良く、腐植土豊富な土地を好み、繁殖は秋に種を蒔くか春に株分けをすることで増やすことが可能です。
収穫は根茎と根を秋に掘り上げて、乾燥させたものを成分抽出液、浸出剤、チンキに加工します。
歴史
この植物は”フォールス・ユニコーンルート”と呼ばれ、本物のユニコーンルートとは区別されています。
初めは北米の先住民が流産防止に使用していましたが、18~19世紀に入ってきた女性入植者のうつや錯乱に効果があると気に入られました。
その後1916~46年の間に米国国定処方薬に加えられ、現代のハーバリストたちも、婦人科の症状に効果があるとみなしています。
まとめ
名前の通り真っすぐ伸びた花をユニコーンになぞらえた植物で、主に女性特有の症状に対して働きかけます。
今日まで書き続けることができたのは読んでくださっている人のおかげです。
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今回の記事はここまでとなります。また次回の記事でお会いしましょう。
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