今回解説するのは北米先住民にとって欠かせない薬草のChimaphiraです。
Chimaphira
生態
低木性の常緑多年草6種が北米東部やヨーロッパ北部、に分布し、日本の中部地方でも見られます。
葉や艶のある美しい花を持ち、数種がロックガーデンやグラウンドカバーとして栽培されているのです。
Chimaphira umbella
読み方:キマフィラ・ウムブラ 俗称:Prince’s pine ウメガサソウ
根茎性の多年草。根茎は匍匐性で、細い茎から艶のあるギザギザの葉が輪生に出ているのが特徴。
夏には直径1cmのピンクがかった白い花が3~10輪まとまって咲くのが特徴です。
属名はギリシャ語の「冬」Cheimaと「愛」pheileoを語源としており、この植物が冬まで保つことに由来しています。
Chimaphira
各種利用法
料理
古い使われ方では、伝統的なルートビアーに加えれられていました。
薬用
北米原住民にとって非常に重要なハーブで様々な症状に利用されてきました。
苦味のある収斂性と冷却性を併せ持つ薬草で次の症状に内服可能です。
・腎臓と脾臓の強壮作用
・尿路感染
・前立腺炎
・腎臓結石
・関節炎
・リューマチ
この植物は後の入植者、特にペンシルヴェニア・ジャーマンに腎臓疾患、リューマチに有効な強壮利尿剤として広まりました。
また、ニワウルシ同様にキニーネ・グリコシドを含んでいますがこちらは収斂性が弱く、利尿性が強いという点から長期間に渡って利用することが出来るという利点があります。
栽培
野生種で耐寒性があります。日陰で水はけの良い酸性の土壌を好みます。
繁殖には秋にタネをまくか、春に株分けをしましょう。
収穫は花が咲いたら全体を、または葉を生長期に摘み取り、乾燥させて成分抽出液や成分浸出液、チンキ剤に加工。
まとめ
ウメガサソウはリューマチや尿路感染症と言った諸症状に使われ、北米先住民にとって欠かせない薬草なのです。
あとがき
名前の通り咲いた花が梅に似ているからウメガサソウ、学名では愛と冬というなかなかロマンチックな名前だと思いました。
今日まで書き続けることができたのは読んでくださっている皆さんののおかげです。
今回の記事はここまでとなります。また次回の記事でお会いしましょう。
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