今回解説するのは、針葉樹の仲間であるカラマツ属の“Lalix decidua”です。
Larix decidua
生態
灰色がかった赤い樹皮に垂れ下がった枝が特徴の針葉樹で葉を落とす落葉樹。
葉は柔らかく淡いグリーンの針状で輪生するのが特徴。
雌木の球花は長さ2.5~4cm程度で未熟果はピンク色(カラマツピンクとも)だが成熟すると茶色になる。
大木になる9種が存在し北半球の寒い地域に生息し、材木として植えられていることが多いが観賞用としても人気が高い。
球果が一年で成熟する点と落葉樹であること以外はヒマラヤシーダーと共通している。
因みにヨーロッパカラマツの見頃は春の新緑と秋の紅葉。
Larix decidua
各種利用法
Larix decidua(ヨーロッパカラマツ)は伝統的に利用されてましたが、Larix lalicina(アメリカカラマツ)に取って代わった。
そのため現在ではアメリカカラマツが薬用に用いられている。
Larix decidua
薬効
主な利用部位:樹脂、樹皮
苦い収斂性に加えて利尿作用のあるハーブでテレピンに似た香りがする。
主に気管支炎の充血を抑制、治癒促進作用がある。
具体的な適応症は以下の通り。
内用
・気管支炎
・尿道炎
⇒樹皮
・サナダムシ
・リン中毒
・無月経
・下痢
⇒樹脂
外用
・化膿した傷
⇒樹皮
・外傷
・皮膚疾患
⇒樹脂
腎臓疾患の患者には使用してはならない。
Larix decidua
栽培と収穫
園芸用の品種で寒さに耐性があり、日向で水はけのよい湿った開けた土地を好みます。
春に種をまくか、夏に挿し芽をすることで繁殖させることが可能。
手入れは主枝を一本残してあとから出るものを取り除く。標本木の幹をきれいに見せるために下枝は切り払うと良いでしょう。
収穫
樹皮は春の終わりに剥ぎ取り、乾燥させたものを煎じ薬や粉末、チンキに加工ができます。
樹脂は秋に幹に穴を開けることで取ることが可能。
Larix decidua
歴史
樹皮はかつてリューマチや黄疸、皮膚疾患の治療及び傷の湿布薬に使用された。
北米先住民は樹液を集めてチューインガムをつくり、これを噛んで消化不良を解消していたのです。
Larix decidua
まとめ
ヒマラヤシーダーと類似点の多い針葉樹で伝統的にリューマチや消化機能を促すのに利用されていた。
薬用としては軽いキズには樹脂、皮膚疾患には樹皮を活用するといいかもしれません。
あとがき
針葉樹は常緑のものがほとんどだと思っていましたが以外にも広葉樹があるんだなと思い驚きました。
あとは時代の流れで廃れていったような経歴のハーブだと思います。
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