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ハーブ解説 Part391 トンカマメ

今回解説するのはクマリン発見のキッカケになったトンカマメ Dipterex odrataです。

トンカマメ
Dipterex odorata

読み方:ディプレテクス・オドラタ 英名:Tonka Bean

熱帯アメリカに生息するこの属は10種存在し、ここで取り上げるD.odorataという品種にはクマリンとクマリン・グリコシド類が含まれています。

この成分が感想の過程で乾いた牧草のような香りを発散させます。現在では薬用の面でもクマリンは有害で発がん性があることが判明し、ほとんど使用されなくなりました。

非耐寒性の小型な熱帯雨林木で、高さは25~40m、広がりは15~25m、薄いグレーの滑らかな樹皮を持ち、艶のある葉は15cm程です。

派手なローズヴァイオレット色をした花が円錐花序に咲き、後に大きさ10cm位の卵型で多肉質な実を結びます。

それぞれの実には3~5cmのマホガニー色の種子が一つはいっており、主にヴェネズエラやコロンビア、ギニアの河辺で見ることが出来ます。

また、乾燥させた種子がポプリなどに使われますが、発芽させることは出来ません。その理由として熱帯雨林を原産とする植物の多くは寿命が短く、休眠期も存在しないためです。

大半はヴェネズエラの野生種やトリニダードで農園で栽培されているか、ココアの木の風よけに植えられたものから集められます。

種子

トンカマメ
各種利用法

薬用

芳香性のハーブで香りの持続性を高める作用があります。かつては百日咳の治療に利用されていましたが、現在ではほとんど利用されていないです。

実用

現在ではお菓子、ココア、リキュール、肝油(米国を含め禁止の国がある)などの香辛料に使用され、ポプリや香り製品、タバコや嗅ぎたばこの香料に使われています。

ヴィクトリア朝時代には嗅ぎたばこの香料として使われていましたが、1868年にクマリンが合成されるようになってから衰退しました。

栽培

野生種で水はけの良い酸性で小石や砂利の混ざった砂質の環境を好み、十分な雨と湿度が必要で、最低気温は15~18℃を維持します。

繁殖は同じところにまきますが、発芽には6週間と長い時間がかかり、実生苗は移植に向きません。苗が2mまで成長したら主要な枝を止めます。

収穫は熟した実を集めて乾燥させてから種子を取り出します。

乾燥させた種子をラム酒に漬けて2~3日寝かすことで表面にクマリンが結晶化します。この方法を”フロスティング”と呼びます。

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@けむさん
今回の記事はここまでとなります。また次回の記事でお会いしましょう。

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Kemu
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