Part416~Part427

ハーブ解説 Part416 エジプトスイレン

今回は11/6日に解説したスイレン Nymphaea odorataとはまた別の品種であるエジプトスイレン Nymphaea lotusについてまとめました。

エジプトスイレン 概要
Nymphaea lotus

アジアやアフリカなどの暖かい地域を原産とする品種。

古代エジプト時代では美術、儀式、食料、薬品など多くの用途に使われた重要な植物でもあった。

花は軟膏、オイルは湿布薬緩下剤、葉は肝臓疾患に用いられていた。

また、根は生及び調理して食べられ、種子はパンに加えられていた。

現在でもエジプトスイレンの花はエジプトのハーバリストが冷却、鎮静効果に期待して利用している。

エジプトスイレン 生態
Nymphaea lotus

節のある根茎と水面に浮かぶ葉を持つ水性の多年草。大きな香りの良い花は夜と朝だけに開花する。

一般的に花が咲いた後に枯れて地上部に実を付けますが、スイレンはうねのある球状の種子が水面下で熟します。

鎮静、収斂性に加えて解毒作用、媚薬効果があるとも言われている。

その他の品種

ブルーロータス
N.caerulea

 

アフリカ北部、中部、南部で見られる品種で尊ばれていた品種。

エジプトスイレン同様約よに用いられ、内服薬として腎臓・膀胱機能不全、外用薬で日焼け、ニキビ、皮膚炎の鎮静、殺菌薬に用いられています。

エジプトスイレン 各種利用法
Nymphea lotus

利用部位:根茎、花、実、種子

料理

インド、スリランカ、中国の一部では根茎をでんぷん質の野菜として茹でて粉にしてから利用し、実はカレー、ピクルス、小麦粉に混ぜてパンに加工される。

種子を水の中で潰したものは古くから糖尿病の薬。また高級栄養食として油で揚げてもよい。

薬用

アーユルヴェーダでは症状に合わせて様々な部位が利用される。

根茎
肺結核
慢性気管支炎
内痔核
泌尿器系疾患
発熱
不眠


動悸

実のジュース
蛇の噛み傷による血尿

栽培&収穫

園芸用品種で非耐寒性。深さ30cm以上の肥沃で流れのない水中を好む。保存するときには休眠中の根茎を掘り上げて湿った砂に埋めて保存するのもよい。

繁殖は春に種をまくか。株分けで増やすことが可能。

気をつける害虫は
・アブラムシ
・スイレンビートル
・イモムシ
・ケムシ
などが葉を食い荒らす事があるので注意。

水深が浅すぎても深すぎてもだめで、栄養過剰の場合は花が咲かないので気をつける。

収穫は花が咲いたら切り取り、なまのまま成分抽出液に加工し、根は休眠期に掘り上げたものを乾燥させて粉末にしたものを煎じ薬にする。

実と種子は熟したら集める。

エジプトスイレン まとめ
Nymphea lotus

アジアやアフリカなど熱帯を原産とする水生植物。

古来から食料や薬用に使われている伝統的なハーブ。特にアーユルヴェーダでは慢性気管支炎や動機といった症状に使われていた。

栽培のポイントは流れのない適度な深さで育て、栄養が過剰にならないように管理する。

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@けむさん
今回の記事はここまでとなります。また次回の記事でお会いしましょう。

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